拾壱 蝗

 あれから俺は積極的にExEM討伐を行うになった。美咲のことがどうしても頭から離れない。出来ることをしようとする気持ちもあるが、何かしていないと落ち着かないというのもあった。討伐中はなにかと気が紛れたし。

 それを知ってか翔夜がよく訓練に付き合ってくれる。先日発動した『明るい光の刀』が使いこなせないからだ。自分の意志でいつでも発動できないとまた双頭犬なんて出てきたら今度こそやられてしまう。

「うーん、やっぱり剛には危機感が必要やったんかな?」

 翔夜は俺の剣を受けながら話しかけてくる。ここは大学内の武道場。SERCl活動として借りることができるのでよく練習させてもらっている。

「危機感?」

「せや。前まではお前さんどこかぼーっとしてるところがあったからな。でも今は何を焦っとるん知らんが自分を追い込もうとしているのはわかる」

「ちょっと心当たりはあるよ」

「それのせいかもな。以前より発動率が上がっとる。もう少ししたら自由に使えるようになるかもな」

「だといいけどな」

 勢いよく大ぶりに剣を振ったら翔夜に軽く躱されてしまった。

「それじゃ当たらんな。自分で追い込んで能力を上げようとするのはええこっちゃ。でも焦って冷静さを欠いたらあかんな」

「うーん、言葉では分かるんだけど、なかなか難しいな」

「まあ、女がらみじゃ仕方ないわな」

「な! そ、そんな事は…」

「おっ、お前がそういう動揺した顔するの初めて見たわ。カカカ!」

「くそ。俺ってそんなに分かりやすいのか? ポーカーフェイスには自信があったんだけど」

「何を言うてんねん。めちゃくちゃ分かりやすいわ。大体、急に必死でやるなんざ女関係しかあらへんわ」

 翔夜基準を全ての男の基準のように言われるのは腹が立つが、今回は当たっているので何も言えない。

「まあ、そんな君に良い特訓がある。今週末にSERClのイベントがあるからきなさい。もちろん装備は持ってこいよ。詳細は送っておく」

 そういうと翔夜は特訓を切り上げて、さっさと武道場を出て行った。


 その週末。深夜に指定の場所にやってきた。

「本当にここなのか?」

 あたり一面見渡す限り畑。ここでなんのイベントが…と思ったらSERClのメンバーが続々と集まってきた。顔を知っている人もいれば初めての人も結構いた。ついでというか真凜もいた。代表だからな。

「さて、今日はこの季節限定の恒例イベントだ。ここはアタシの土地なんだが大昔にここで戦があって多くの人が亡くなったのさ。そのせいかこの時期、ここにはアビス粒子が多く発生するんだよ。そして周辺の生き物からPOSを吸い取って大量のExEMが出るのさ」

 馴染みの人たちは退屈そうに聞いているが、知らない顔の人たちは少し引き攣った顔をして聞いている。俺と同様、何も聞かされていないからびっくりしているみたいだ。

「さて、これからその大量のExEMを狩ってもらおう。中には実戦が初めての奴もいるだろうけど、大物は出たりしないから練習通りやんな。必ずできるはずさね」

 実践が初めての人がいる? あの知らない人達のことか? その人たちをよく見てみると

「あ、あの顔! おーい翔夜!」

「なんや?」

「あそこの人、大学で同じ学年の奴なんだけど。仲間なの?」

「そうや、あいつもSERClや。研修期間が終わったからこれが修了検定みたいなもんや」

 研修? 修了検定? 何かおかしい。だって、俺は…

「翔夜、俺は研修なんてやったっけ?」

「いやー…どうだったっけ? あ、したやん! 仲間になった日に!」

「あれは単なる説明だけだろ! 研修なんて言えるか?」

 翔夜の目が泳ぎだした。あからさまにやってなかった事を誤魔化そうとしているのがバレバレだ。

「やっぱり俺、そんなの受けてないよね? どういうことだ? あいつと俺が同期なら同じ研修を受けてるはずだよな?」

「いや、あの、そのな」

「うん」

 翔夜は誤魔化せない状況になったことを悟り、

「すまん! 剛の場合、体質の件もあったから即戦力でいいだろうってあいつらとは別メニューをやってもらっとったんや」

「別メニューじゃないだろう? 普通にExEMを討伐させてた、だろう?」

「うっ…」

「元々SERClってこういう所かと思ってたら、まさか俺だけスパルタで実戦投入させられてたとか…勘弁してくれよ」

「いやー、ほんまにすまん。婆さんと相談したらそうなって、な」

「な、じゃないよ。おかげで大怪我までしてるんだからな」

 そう言って腕をまくって傷跡を見せようとしたら綺麗さっぱり消えていたのを忘れていた。早乙女院長、腕が良すぎる…なんか恥ずかしくってきたので何事もなかったかのように袖をなおした。

「まあ、俺のことは今更だからいいけど、あの人たち初めての実戦ってアビス粒子とかExEMとかも初めてみるとか?

 翔夜は話が切り替わったのでホッとした様子でいつもの雰囲気に戻りだした。

「そのはずや。研修が終わるまで外ではバイザーも禁止してたから情報も何も知らんはずや」

「ふーん。えらく大切に育ててたんだな」

「そんな言い方やめて…辛いわ。んとな、大切にというかバイザーとスティックを使うのに結構時間がかかるっていうのがあったんやけどな」

「そうか? あれ使うの簡単だろう?」

「んな訳あるか! めっちゃ大変なんやで。なんだかんだで半年近くで使いこなしてるお前がおかしいんや」

 俺を変人のように言いやがって。とはいえ今でも翔夜と比べれば使いこなしているようには思えないんだが。比べる対象が翔夜というのが間違えているのだろうか?

「それはいいや。で、俺もこの検定に参加するのが今回の目的だよね?」

「ああ。必ず今のお前のためになるはずや」

「わかった」


 真凜の説明も終わり、参加者は畑の端に一列で並んだ。

「もうすぐ深夜になる。そうしたらこの畑はアビス粒子に囲まれてExEMが現れるから片っ端から狩っていきな! また限界時間近くになったらバイザーにアラートが出るからその時は引いて2陣と交代し、再チャージしたらまた突入、その繰り返しだよ。いいか、無理はするんじゃないよ。アタシやベテランがいるからって危なくない訳じゃないからね!」

「はい!」

 おおー、なんか初々しい返事。俺にはできないかもとか余計なことを考えていたら

「出たよ!」

 畑全体から薄いながらアビス粒子が漂いだした。段々とそれは絡み融合して少しずつ濃くなって畑の周りを塗りつぶす。そしてーーー

「来るよ!」

 真凜の声のする方向を見ると、途端に背筋がゾクゾクするほど見たくない姿のものが空中を飛び回っていた。

「バッタ…」

 バイザーには『巨大蝗ジャイアントグラスホッパー』と出たが名前が普通とか突っ込むのも忘れるくらい嫌な物。ああ、背筋がゾクゾクしてくる…。

「お前、虫系あかんやつ?」

「ああ、あの節が動くやつとか駄目だ。特にあの顔面…! よりによって討伐対象がアレとは」

「ちょうどええ。この精神状態で冷静に発動できるようにやれ」

 くっ、翔夜のやつ。一石二鳥とでも言いたいのだろうが、俺には恐怖でしかないのだが。どうしたものか。

「ほれ、はよ行かんかい!」

 翔夜に背中を押されて領域と化したアビス粒子の渦の中に入れられる。

「お、おおおおおお」

 飛び回る巨大蝗の大群…!しかもExEMになって大きさが20センチくらいに大きくなっていて迫力がすごい。大昔の古代の地球ってこんなだったのか?など考えている間にバッタが俺に飛びかかってくる。うわっと銃を出そうとすると、

「剛、お前は銃火器の使用は禁止な」

「え? どうして?![#「?!」は縦中横]」

 襲ってきた巨大蝗をかわしながら情けなく叫んでしまう。

「大群相手に銃は確かに有効や。機関銃ならなおさらな。でも常にエネルギーを弾として飛ばしてしまう銃火器はバッテリーの消耗が激しいから限界時間が短くなる」

 実際、周りを見てみると機関銃を使って連射しまくっているメンバーの中に

「うわあ、もう限界時間がきてる!なんで?![#「?!」は縦中横] 10[#「10」は縦中横]分まで大分時間があるはずなのに!」

「やばい!ここでヴェール解けたらえらいことになる!」

 うわあ、飛び道具メンバーからの叫び声がだんだん増えてきてる。今までここまで連続して発砲してなかったから気づかなかった。

「わかったやろ?銃は牽制程度にはええし、ある程度ExEMの数がわかっているなら選択肢としてはアリや。でも今回のような大量で終わりが見えにくい相手とやるんやったら剣がベストや」

「なるほど、そうみたいだね。上手くできるように努力しろと」

 俺はそう言って剣を構えた。全く上手くできるイメージはないが、視界の範囲の巨大蝗にマーカーをつけて攻撃ポイントに合わせて剣で振りかかった。

 しかし、俺の腰が引けているせいか攻撃ポイントでタイミングよく剣を振れないので巨大蝗に当たらない。剣だから接近して攻撃するので外れると身体に直撃してくる。

「あがっ!」

 結構なスピードでくるのでバッティングマシーンの球が当たったようにかなり痛いし、しかもあの顔で突っ込んでくるので恐怖感が倍増で冷静さなど吹っ飛んでしまった。

「うおおお」

 変な奇声をあげてとにかく斬りまくって暴れ回るだけになってしまった。それでも当たらない。バッタとしては巨大でも標的としては思ったよりも小さく、かつ高速移動するので捉えにくい。

 周りも銃乱射による限界時間がきてしまったり、初めてのExEM討伐でパニックになったりと阿鼻叫喚の地獄絵図と化し始めていた。


「こりゃ、あかんわ」

 翔夜はヴェールを纏ってアビス領域に入ってくると、剣に炎をまとわせエリアの中心に立った。

「お前ら! 少しの間だけワシらがここを受け持ったる。その隙にアビス領行きの外に出て少し落ち着け!」

 そういうと剣を頭上に構える。纏っていた炎が螺旋状に剣を伝って登っていき、5メートルほどの頭上で炎が弾けて周りに小さな炎を弾となって降り注ぐ。小さな炎弾はその数で巨大蝗の多くに当たって消していく。

「すごい」

 翔夜の炎の発動・コントロール、改めて見て凄さを実感した。これを目指すのか。

「今や! 引け!」

 見惚れている場合ではなかったので、慌ててアビス領域外に退避した。外に出ると、畦道に座り込んだ。双頭犬の時とは違った疲労感。相当筋肉がこわばっていたのか急に力が抜けてグッタリとしてしまった。

「散々やな、剛。一匹もしとめとらんやないか」

 翔夜が後ろから声をかけてきた。

「あれ? 中は?」

「他のベテランに任せた。問題なしや。てかお前だけやぞ、まだしとめとらんの」

「正直勘弁して欲しい。心身共に厳しいよ」

「これくらいでそんなん言うてどないすんねん。能力を自在に発動させるんとちゃうんかい」

「そうだけど…」

「あっち見てみ」

 翔夜が顎である方向を指した。すると上空に映像が映し出された。どこかで見たことがある顔だな、って!

「美咲ちゃん⁉︎」

 あの出来事からExEM退治ばかりで会ってなかったので久しぶりに顔をみた。でもその表情は明るさを取り戻しているようでとても元気そうだ。

「ねえ、なんで美咲ちゃんが?」

「お前は知らんかったかもやけど、美咲ちゃんはSERClのマスコットガールや市の広報誌にもちょこちょこARで現れてるんやで」

「え、うそ。俺初めて見たけど」

「世間への興味がなさすぎやろ」

 てっきり病院の中でずっと過ごしているだけだと思っていた。知らなかったとはいえ、この街で様々な活動をしていたとは周りに無関心すぎたようだ。

「美咲ちゃんってな、剛が思うほどひ弱な子ちゃうで。むしろ強い子や、ワシなんかよりもな。確かに境遇だけで言えば大変やとは思う。でも美咲ちゃんはそんなん関係なく前向きや」

 確かに画面越しとはいえ、美咲ちゃんが無理をしているそぶりは感じないし楽しそうだ。

「お前が美咲ちゃんを気にしているのはわかっとる。でもここまで生きてこられたような子や、弱いわけがない。だから剛、お前はお前のやるべきことに集中しろ。それが結局あの子の為になる」

 あー、翔夜には敵わないな。俺の空回りってやつだったのか。確かに俺らしくない行動をしてたかもしれないな。

 となればーー

「あれをなんとかしろってことだね」

 目の前のバッタの大群をみながらつぶやいた。やっぱりあのフォルムは好きになれそうにない。

「そういうこっちゃ。これだけおるから切りたい放題やで」

「それが切れなかったんだけどね」

 でも頭は少しすっきりした。これなら集中できる。

「アグメンテッド・ヴェール起動」

 同時にアビス領域に入る。剣を構え集中しようとすると、巨大蝗が襲ってくる! が、マーカーで動きを捉え剣を当てていなしながら羽を切り裂いて地面に落とす。巨大蝗はその脚力を使って飛んで逃げようとするが、後ろから串刺しにして倒した。

 呑気に集中している暇はない。でもこれからの戦いでこういったことはいくらでも起こるだろう。このような状況でも発動できるようにならないとーー

「戦いながら身につけるしかない」


「ふー、これで翔夜はなんとかなりそうや。今回は美咲ちゃんに助けられたわ」

「それなら良かった」

 美咲の姿が翔夜の前に現れる。ARによる映像なのだがパッと現れると幽霊みたいだ。

「うわっ! 急にプライベート回線に入ってくるなや。ビビるやろ」

「だって剛さんと仲良さそうだから気になってね。何を話していたの?」

「いや、美咲が俺よりも強くて腹黒いから気をつけろとな」

「ふーん、剛さんにそういうことを吹き込むんだ。へー」

 単なる目の前のARの美咲からなんとも言えない圧力を感じだした。

「い、いやっ、冗談やて、冗談」

 翔夜はあたふたと慌て出す。美咲のARは翔夜にしか見えていないから周りは1人で身振り手振りの翔夜を見て変な雰囲気になっていた。

「まあ、いいわ。今度、病院にいらっしゃった時にじっくり話をしましょ?」

 プツンと映像が消えた。

「あかん。やってしもた。当分は病院にいかんようにせんと。絶対怪我したらあかんな…」

 翔夜は1人青ざめた顔をしていた。翔夜をこんなぐったりさせる美咲は過去に何をしたのかは2人しか知らない。ただ、急にあたふたした後にぐったりした翔夜を怖がって周りにはメンバーが誰もいなくなっていた。


 ここからの全員の戦いはよくできていたと剛は思っていた。俺以外のメンバーも一度体験し、クールダウンすることで思うことがあったのか、再度アビス領域に入ってもパニックになることなく対処し始めた。戦い方はまだぎこちないが其々が試行錯誤しながらスキルアップしていってる。

 俺はというとまだ発動ができていないでいる。とはいえ、こういう乱戦状態でも剣を使って攻撃をくらわず一匹ずつ倒していけてるのは他のメンバーと違うところだ。我ながら良く動けるようになったものだと感心している。

 もっと瞬間的に剣に意識を集中して切る時だけ爆発的な威力が出るようにーー

 剣撃の威力をあげて素早くExEMを倒すため、剣先に力を集めるイメージでただひたすらに剣を振るう。マーカーの指示で上手く動けるようになったせいか連続した攻撃にもあまり疲れが感じない。

 ただ無心に。ひたすらに。

「そこまでだ!」

 声を聞いてハッとした。辺りを見回すと巨大蝗のExEMは駆逐されていた。全く気づいていないくらい剣を振るっていたようだ。じゃあ、あのExEMを指すマーカーはなんだったのか?

「できたやないか」

 横に翔夜が立っていた。翔夜は顎で俺の剣を見るように促した。

「発動している」

 今までのなんとなくではなく、この上なく綺麗な光が剣先だけに発動していた。理想としていた目標の形。

「これ、次も出せるだろうか?」

「剛! お前は…そこは次もだしてやる! やないんかい。ま、お前らしいけどな」

「そうか。次もできるように善処しよう」

 2人で顔を見合わせて笑った。いろんなことがスッキリしたような気がする。

 出来ることをやっていこう。これでいいんだ。


「彼、なかなかのポテンシャルを持っているじゃないか」

「ん? ああ、あの子かい? ポテンシャル自体はあるが、元の身体能力や性格が難ありだよ。お前の期待に添えるような奴じゃないよ」

「そうかい? 運動能力などは鍛えればある程度使い物になるがポテンシャルは簡単に同行できるものじゃないよ。あれは才能だよ」

「才能、ねえ」

 真凛と男がアビス粒子の外で会話をしている。男はSERClのメンバーというわけではないようだがこのイベントに来ているということで関係者といったところか。真凛も知らない相手ではないようだ。

「彼の名前は?」

「蒼炎 剛」

「おおっ、あの蒼炎の血筋かね! どうりで1年目で力を出せるわけだ」

「ちょっかい出すんじゃないよ。あれの怒りに触れたくないだろう?」

「何もしないよ、彼女の逆鱗に触れたくない。昔大変な目にあったからね」

「わかっているならいいさね」

 この男、真凛と親しいのもそうだが「蒼炎」の名前を出すと懐かしむように喋っている。どうやら真凛と蒼炎の名前の者と過去に何かあったらしい。ただ良いことではなかったようだが。

「ふむ、しかし蒼炎の子とは面白いことになってきたね。これも運命かね。たまたま参加して良かったよ」

「たまたま? お前さん、剛のこと知っていただろう。前から剛の任務にちょっかいかけてきてたのは知ってるんだよ。大体お前がこんなイベントに参加するなんてありえないからね。何か考えがあって見にきたようだが、剛はあんな感じだから危なっかしいんで身を守るすべを教えてやってるだけなんだ。それ以上の役目を追わせる気はないよ」

「その割にはかなり過酷なミッションを与えすぎでは?」

 男はバイザーから剛の討伐履歴を見ながら真凛にちくりと嫌味をいれる。

「お前が裏で指名してたんだろうが。そこにあいつが勝手に首を突っ込んじまうんだからタチが悪いよ。おかげでこっちはヒヤヒヤする」

「トラブル体質かね? そりゃお気の毒」

「だからお前さんは関わるな。お前まで絡むと本当にロクなことにならない」

「その言われようは心が傷つきますね。とはいえ、SERCl部長であるあなたの言う事に逆らえませんので」

「当たり前だよ。副市長とはいえSERClの運営に口を出すんじゃないよ」

 真凛はピシャリと言った。それなりに見知った間柄なのだろうがここだけは譲れないと言った風に。副市長は特に悪びれるわけでもなく去っていった。

「あいつはまた絡んでくる気かねえ。勘弁してほしいもんだよ」

 ただでさえ深く刻まれた顔のシワがさらに深くなったように見えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る