第3話 隣の住民がアイドル好きヤンキーです。
203号室の前まで来た……
ん? なにか聞こえる。
(ニャーン ニャニャ ニャ~ン ウ〜 マッスル〜♬)
これは!猫々坂22の歌だ!しかも「筋肉ニャンコ大作戦」!
*筋肉ニャンコ大作戦とは*
〜猫々坂22が出したCDのなかでアイドル曲の恥晒しと呼ばれたほどの大爆死クソ曲のことである!〜
こんなカス曲を聴くとは相当なガチオタクだ!
『ピンポーン』
『ピンポーン』
『ピンポーン』
「ガチャッ」
「あ?なんすか、?何のようすか?」
予想とは裏腹に強面のヤンキーのような男が出てきた。
ナイフのような目つき、眉間によるシワ、服を着ていてもわかる筋肉
目の上の切り傷……
……頭についた猫々坂22の猫耳カチューシャ。
「も、申し遅れましたっ……僕、田中直政といいます!よろしくおねがいしブフォォッッッ!!!」
あまりのギャップに僕は吹き出してしまった。
相手の顔につばが飛び散る。
「は、はぁ、俺は
僕はまたしてもギャップに耐えきれず吹き出してしまった。
彼は迷惑そうに頭をポリポリと掻く。
「!?」
彼は頭の違和感に気づいた。一気に顔が青ざめる。
「改めて龍門寺ですぅ!よっ。よろしくおねがいしますぅぅ〜!」
気色が悪いくらい態度が一変した。
◆
やはり自分の部屋が一番落ち着く……
まだ二部屋しか挨拶してないのになんだこの濃さは!!
まだまだヤバい人が住んでいるのかもしれない……
「今夜は寝よう!うん!もう無理!」
僕は部屋のベッドに飛び乗る。ふかふかで気持ちいい……
ニャンニャン♪ トントントン ニャンニャン♪
ニャンニャン♪ トントントン ニャンニャン
トントントン ニャンニャン♬
「うるせええええええええぇぇぇぇッッッ!!!」
その日僕がうまく寝付くことはなかった。
呪い好青年とヤンキーアイドルオタクのせいで。
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