第4話
な、な、何て可愛いんだ⁈
これだから人間への接客はやめられない。
僕はヨダレが出そうになった。
この仕事も、
初めはこの世界で職を得る為、奨学金制度も使い、真面目に製菓教室で学んだのだが、いつしか完全に、僕の趣味となっている。
なんなら薬草の裏技まで使って、店長のポストについたもんね!
おっと。
僕は襟をただして、彼の話を聞いた。
好きな同級生の女の子がいること。
小さい頃から、何故か自分自身に欠けている部分がある様な気がして、自身が持てず、
そんな自分を毛嫌いしていること。
当店の魔法のチョコ(僕じゃない、彼が、そう言ったんだ!)を食べれば、自分を好きになれるかもしれない、と思っていること。
そうすれば、もし女の子に告白して振られても、それは特に気にしていないこと。
僕は、うーん?
と首を傾げた。
彼の言い分は、分からなくもない。
唯、普通に考えたら、
やっぱり自分で食べるより、好きな子に食べさせて、好かれたいでしょう?
本当に、その子のことが好きなのか?
それとも、自分が変わりたいだけなのか?
未だ何か隠していないか。
僕は、あっと気付き、
なるべく猫撫で声で
「君、もしかして、女の子なんだね。」
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