第58話 文化祭 宮村の

 僕は、先輩が見てくれると思って、褒めてくれると思って恥ずかしいのにメイド服になっているのに先輩が僕のメイド服を見にこない。


「先輩が来ないね〜」

「ま、まあ」



 僕に話しかけて来たのは、メイド服を作ってくれた子だ。僕の気持ちに気付いたのかな話して来た。だけど、僕は顔に出してないと思うんだけどな、どうしてだろう?メイド服を作ってくれた子は、何故か僕の顔を見てニヤニヤとしている。


 なにか、顔に何かついているのだろうか?


「ねえ、王子様。先輩のところ行きたいんでしょ?」

「そ、そんなことないよ。お姫様達を喜ばさなきゃいけないから。僕は、別に先輩に会いたいとは思ってないけど?」

「そうかな〜先輩と会いたい〜って思ってるんじゃない〜」

「そんなことないよ。」

「ふん〜」



 不満そうな顔で、僕の方を見てくる。


 ま、まあ、だけど、先輩が観に来ないのは不満。だって、先輩が来ないヘタレなんだもん。僕は、こんな恥ずかしい思いをしながら!!

 なんだか、僕がこんな恥ずかしい格好をしているのに先輩が来ないのはなにかムカムカする。


 もしかして、先輩は僕の姿を見たくないのか?そう、ナインを送ったら直ぐに既読がついて『見たいから写真送ってくれ』って送って来た。


 はぁああ!?


 僕のメイド服が見たいなら、こっちに来て欲しいんですけど。先輩が、僕の姿を見にこないの。先輩以外に、こんな姿見せたくないのに!!



 なんで、僕の姿を生で見にこないの?見たかったんでしょ?写真で見るよりいいんじゃないの?



 そう、僕は思った。


 思ったら、僕は先輩にメイド服姿を見てもらいたくなった。



「やっぱり、先輩に僕の姿を見せに行きくよ。」

「うん。いいね。」

「だけど、先輩のいる場所ってどこかな?」

「ふん、2階の一番奥にある空き教室にいるよ。」



 なんで、知っているかわかんないけど、先輩に急いで店に行きたいと思い僕は2階の空き教室に向かった。



******


 王子様のメイド服を作った私は、思った。王子様は、先輩に見られたい。だけど、見にこない。先輩の性格上だとここには来ない。


 だから、不機嫌そうにしている。だけど、ここを離れるわけもいけないと思っているのだろう。確かに、王子様目当てで来ている人もいるだろう。だけど、王子様がこの教室から出てくれたら、いい宣伝にもなるし、早く自分のメイド服姿見せに行きたいんでしょ!!っと、モヤモヤしているから早く見せに行ってほしいと思った。


 スマホでやりとりして、ようやくいく決心をした。私たちから見れば王子様だけど、今はお姫様って感じがする。


 王子であり姫である姿を見れてなんかいいと思った。


 王子様は、『ちょっと、抜けるね』といい教室から飛び出し先輩に会いに行った。

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