第33話 結奈ちゃん『視点』2
私は、お兄ちゃんと話して家に帰ってきた。お母さんは、丁度料理中で、お姉ちゃんは友達と遊びに行っている。
お父さんは、仕事なのでお母さんにあの事を聞くのには丁度いいと思う。
もし、お父さんに聞かれたら大変な事になるからね。
「ねえ、お母さん。」
「なに?」
「お兄ちゃんと何かあった?」
「ど、どうして、急にそんなことを聞くの!?」
お母さんは、急にお兄ちゃんについて聞いて驚いて手に持っていたジャガイモを地面に落とした。
お母さんの顔には、冷や汗をかいている。
「な、何も無いから!!」
「本当に?」
「う、うん。」
お母さんの目が泳いでいる。
「実は、お兄ちゃんにあのこと聞いたんだ。」
「そう、あの事を雄二くんに聞いたの」
「うん。」
「どう思った?」
「ん〜え!?って驚いた。」
そういうと、お母さんの寝室に行き何かを取り出してきた。
「実はね。お母さん、こんな漫画買っちゃたの。」
「え?」
お母さんが、手に取って持ってきたのは恋愛漫画の『らみりっつ』だった。
「お、おかしいでしょ。お母さんがこんなの買って。雄二くんとは、この漫画を買う勇気を貰って...」
「え?あ、」
思ったのと違った。
お母さんとお兄ちゃんが付き合ってるのをカミングアウトしてくれるのかと思っていた。
「え、そうなの!?お兄ちゃんとそうゆうのじゃないの!?」
「え、結奈何を言ってるの?」
どうやら、私の勘違いだったようだ。勝手に、本屋で密会とかしてるちか、最近ドラマの見すぎで勘違いしてしまった。
は、恥ずかしい....
「ごめん。お母さん。てっきり、お兄ちゃんとなんか親密な関係になってるかと思ってた。」
「な!?何を勘違いしてるのかしら、この子は」
「だって、お兄ちゃんにお母さんの事を聞いたら、若いとか可愛いとか言ってたんだもん!!そりゃあ、勘違いもするもん!!」
わたしは開き直って、全部勘違いしたのはお兄ちゃんのせいと言うことにした。
確かに、私の聞き方が間違っていたのかもしれない。だけど、お兄ちゃんも紛らわしかったんだし、お兄ちゃんのせいだよ。
「え、えええ!!そうなの結衣」
「うん。それと、子持ちとか知らなかったら20代とかに勘違いしちゃうって言ってた。」
「そうなんだ〜」
お母さんは、若く見られていたことが嬉しかったのか、テレテレとしたニヤけた顔をしていた。
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