第32話 結奈ちゃん『視点』

 お母さんとお兄ちゃんを本屋さんでの見掛けてから数日が経った。お母さんの様子がおかしい。


 お兄ちゃんと、ナインを交換したのかよくスマホを見ている。スマホを見て、なんにかニヤニヤとしている。


 お母さんに聞いてみるが、『な、なんでも無いよ。』っと言って、はぐらかしてくる。


 最近のお母さんは変だ!!


 もしかすると、お兄ちゃんと....なのかもしれない。このままでは、まずい。テレビドラマみたいな関係になっているかもしれない。


 お兄ちゃんは、私かお姉ちゃんとしか付き合っちゃダメなのに。と言うより、お母さんは既婚者だもん。


 これは、お兄ちゃんにも教えてあげないといけない。


 お姉ちゃんに相談してもいいけど、ショックで動けなくなるかもしれない。なので、私が解決してみせる。


 と言うことで、お兄ちゃんと会うことにした。


「お兄ちゃ〜ん」

「結奈ちゃん。どうしたの?急に会いたいって」

「それは、お兄ちゃんについて聞きたいことがあったの。」

「なに?」


 ここで、直球で聞いてもいいけど、ドラマとかでは探り探りで探るも。だから、私も話題をそっち方面で聞こうと思う。


「ねえ、お兄ちゃん。私のお母さんどう思う?」

「そうだな〜まあ、可愛いんじゃないの?」

「よ、四十代だよ。」

「そうなの?いや〜もっと若いかと思ったよ。もし、子供がいないとかだったら、20代とか思うってしまうかもな。」


 お、お兄ちゃんがお母さんのことを好意的に見てる!?


 お、お兄ちゃん!!人妻に手を出しちゃダメなんだよ!!


「ね、ねえ、数日前にお兄ちゃんとお母さんが本屋さんで楽しそうに喋ってたのを見たんだけど、何を話してたの?」

「い、いや〜まあ、なんか、ね。この、漫画が面白いとかぐらいしか喋ってなかったよ〜」

「へ、へえ〜そうなんだ〜」

「別に何にもないから。」


 お兄ちゃんが、否定するほど怪しいよ。やっぱり?やっぱり、そうなの?


 私は、そんな関係だったら私....応援することができないよ!!


「お兄ちゃん。もしかして、お母さんのこと好きなの?」

「まあ〜好きっちゃ。好きなだ。(友達として)


 や、やっぱり!!お母さんを好意的に、恋愛的無い意味で好きって言ってる。ていうか、お母さんの娘である私の前で、こんな堂々と言えるお兄ちゃんって!?


 もいかして、私に説得して欲しいから、こんなに赤裸々に私に話すの!!


「じゃ、じゃあ、私。用事思い出したからじゃあ。」

「おう。」


 私は、急いで家に帰った。


****


 今日の結奈ちゃん変だったな〜


 あと、結奈ちゃんが本屋さんでバッタリあったところを見られたとはな。


 一応、内緒にしてって、言われていたから本屋さんで買ったものとか話していたことは誤魔化していたけど、なんで、あんなに宮村のお母さんについて聞いてくるんだろ?


 まあ、お母さんと何か話しているところを見て、少し嫉妬して、何を本屋で話していたのか、気になったんだろう。


 


 

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