第31話 宮村の母親

 俺は、なんとなくふらっと本屋さんに寄った。


「なにかないかな〜」


 っと思って、グルグルと本屋さんの中を回っていると宮村のお母さんと偶然バッタリと出会った。


「あ、え、こ、これは、違うの!!」


 なんのことだ?っと思い、宮村のお母さんお右手絵に持っている本を見てみると可愛い表紙の恋愛系漫画『らみりっつ』を手に取っていた。


「ご、ごめんなさい。」


 つい、この場が気まずすぎて、俺はこの本屋さんから離れようとすると俺の服を掴まれてしまった。


「む、娘には何も言わないでください。」

「い、言わないですよ。」


 そういい、帰ろうと思ったが引き止められてしまった。そして、近くのカフェで話し合うことになった。


 俺は、別に人の趣味まで口出しをすることはないし、プライバシーは守る。


 ましてや、人妻が恋愛系の漫画本を買っているのを見たとしても、それを娘に言うはずがない。


 というか、別におかしいことではない。


 まあ、一週間ぐらい前にあったばっかりだがら、信じられていないのだろう。


「雄二くん。」

「はい。」

「このことは、内緒にしてほしいの。」

「言いませんよ。」

「本当に?」

「はい。」


 少し潤んだ目で言われた。


「はい、言いませんし、俺は見なかったことに知るんで。」

「そ、そう。」


 っと、はっきり言ってあげた。

 すると、ようやくわかってくれたようだ。


「それと、こんな私がこんな漫画を読んでるなんてお、おかしいとか思わないの?」

「いや、別におかしくないですよ。誰だって、面白い・読みたいって思うから買うんだから、別におかしいとか思わないですよ。」

「そ、そうなんだ〜」


 ちょっと、安心した顔になった。


 それに、ちょっと面白そうなので俺は『らみりっつ』を手に取り買うことにした。


「ゆ、雄二くん。あ、ありがとうね。」

「いえいえ。」

「えへへ〜」


 漫画を買えて嬉しそうだ。


「こんどお礼してあげる。」

「いや、気遣い大丈夫です。」


 っと、行って俺は家に帰った。


*******


「は!!お兄ちゃんと、お母さんが本屋さんで密会してる!?」


 偶然と、本屋さんのところを通った結奈ちゃんは、宮村のお母さんとお兄ちゃんが合っているところを目撃して驚いている。


「まさか、お兄ちゃんとお母さんがそんな関係に!?」


 こっそりと、本屋に入り何を話しているのかを盗み聞きをしていあのだが、後半の部分だけしか聞けずにお母さんとお兄ちゃんは帰って行った。


「お、お母さんが、あんな嬉しそうに!?一体、お兄ちゃんとお母さんが本屋さんで何を話してたの!?」


 思春期である、結奈ちゃんはいろんな妄想が止まらなくなっていた。


 


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