第23話 大変だった日の後

 俺は、小林のせいで色々と忙しかった。この、二日間ぐらい宮村と話したりしていない。


 まあ、宮村のことだから、他の女の子でも連れてデートでもしているのだろうとは思うけど。


 そう思い、久々に宮村と一緒に帰ることになった。


「先輩、どうして僕と一緒に帰ってくれなかったんですか?」

「いや、小林がさあ色々と面倒ごと起こして、俺がなんとかしてたんだよ」

「それで、僕の事はほったからかし?」

「まあ、小林がやばかったからな」

「酷いですね。僕を置いてけぼりにして!!」


 なんだろう、宮村がすごい怒っている気がする。別に、放課後に一緒に帰ることが無い人かたまにあるじゃ無いか?


 何故、今日はこんなに怒っているのかわからない。


「なあ、なんか怒ってない?」

「怒ってない。」


 俺は、またか〜っと思ってしまった。だが、このままでは、雰囲気が悪いままだ。


 そこで、結奈ちゃんに借りを返してもらおうと思う。


 俺は、スマホを取り出して


『なあ、姉が不機嫌。何か、機嫌を直す物ないか?』


っと、返事した。

すると、直ぐに返事が返って来た。


『まあ、昨日からお姉ちゃんが『先輩が僕の事無視する!!』『喋りかけてのだよ!!』とかお姉ちゃん言ってたから相当怒ってるよ。』

『マジか!?』


 小林のことで、色々と頭がいっぱいだったからな〜宮村が話しかけて来た事に気づかなかったかもしれない....


 確かに、俺も話しかけて無視されると嫌な気持ちになるし。


 ここは、素直に謝っておくか。


「すまん。どうやら、宮村が話しかけてくれていたようだが、小林のことで頭がいっぱいで気づかんかった。」

「ふん」


 謝ったが、許してくれない。ここは、結奈ちゃんの情報が頼りだ。


『お姉ちゃんは、実は甘党だから、甘い物を与えたらなんとかなるかもしれないよ』

『わかった。ありがとう!!早速、甘い物を与えてみる。』


 宮村から、コソコソとナインをしているとまた不機嫌になりそうなので、俺は直ぐに甘い物を宮村に買ってあげることになった。


 ちょうど、近くにコンビニがあったので、好きな物を買ってあげることにした。


「宮村、コンビニの甘い物買ってあげるから許してくれ。」

「良いですよ!!」


 っと、ちょっと怒ったような声で言われた。


 まあ、甘い物だけだから、それほどお金はかからないだろうと思っていた。



 だけど、宮村は容赦なく甘いシュークリームやエクレアなどを次々とカゴに入れて行く。


「お会計4567円です。」

「ふぁあ!?」


 値段を聞いて驚いた。


 これで、俺が持っているお金が全部無くなってしまった。


「おい、ちょっとは遠慮しろよ」

「ありがとうございます。先輩」


 袋を両手で持って、ルンルンとして機嫌が治った様子だが、俺の財布はすっからかんになってしまった。

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