第22話 監禁

 小林が、学校を2日間もなんの音沙汰もなく休んでいる。


 普段なら、そんなことはない。あったとしても、学校に報告する性格はアレだが真面目である。


 そんな小林が、2日間も音沙汰なく休むのはおかしい。これは、監禁されたと俺は結論づけた。


 放課後、小林の家に向かったが、なんの返事もなかった。もしかしたら、っと思い。恵美ちゃんの家を妹に聞き出し向かった。


「あの、小林くん居ますか?」

「居ますよ。」


 恵美ちゃん本人がインターホンで答えてくれた。案外、簡単に家の中に入れてくれた。


「あなたは、しずくちゃんの兄ですね。」

「そうだよ。」

「そして、小林くんのお友達でしょう。」

「はい。」

「私は、忠告したんですよ。ですが、女の子をナンパしているところを目撃しまして、今はここに小林くんが居ます。」

「こ、小林!!」


 小林は、クローゼットの中に縄で身動きが取れないようになっており閉じ込められていた。


「さいとう!!助けてにきてくれたのか!!」


 もう、涙を流しながら感動していた。俺は、縄を解こうとすると恵美ちゃんが邪魔をしてくる。


「私は、お友達のあなたに小林くんが元気そうなところをみせるだけで、ここから出す許可は与えてません。なので、縄を解くのを辞めていただけませんか?」

「いや、流石に何日もおったら健康的にも悪いだろ。」

「いえ、毎日の夜の散歩は欠かしません。」


 どんなプレイなんだ?


 そう思ったが、今はとりあえず縄を解くように、説得しよう。


「恵美ちゃん。なんで、小林が恵美ちゃん以外の女の子に声をかけると思う?」

「それは、浮気のためですよね。私はずっと我慢してきたんですよ。ですが、私の忠告を無視した結果なんです。」

「それは、わかる。だけど、今でも付き合ってるんでしょ。」

「はい。」

「小林は、別に恵美ちゃんと浮気したいとは思っていないんだよ。むしろ、好かれているよ。」

「じゃあ、どうして。」


 恵美ちゃんが、困惑した顔で質問してきた。


 俺は、あと少しで説得できると確信した。


「どうしてだって?それは、小林がただ女好きなだけなんだよ。別に好きでもない、女のに声をかけたくなるだけなんだよ。だけど、恵美ちゃんには、普通に接してるでしょ、恵美ちゃんは彼女としてしっかりと扱われているんだよ。」

「そうなの?」


 恵美ちゃんは、小林の方を振り向き質問した。


「そうそう。俺は、別に女好きであって、恵美以外の女は眼中にない。」

「そうなんだ。じゃあ、これから私のやりたいことを叶えてくれるなら、縄を解いてあげる。」

「わかった。」


 ようやく、小林を解放することができた。


****


「お兄ちゃん。小林くんどうだった?」

「ロープに縛られて、クローゼットの中で監禁されてた。小林の親は、3日間ぐらい旅行行ってたらしいかって、おおごとにならんくてよかったよ。」

「ほんとだね〜」


 妹のしずくにも、小林がどうなっていたのか、事細かく教えてあげた。

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