王子系女子と付き合い始めてから、彼女がメス堕ちってる。

第20話 監禁らしい。

「斉藤」

「なんだよ」

　急に深刻な顔をして、木村が俺に話しかけてきた。

　どうやら、付き合っている年下の幼馴染と何か揉めたようだ。

「なあ、俺ってさあ。ちょっと、女の子好きであることは知っているよな。」

「ああ、お前がかなりの女の子好きであることは知ってるが。そのせいで、何かあったか。」

「ああ、幼馴染の恵美がとうとう怒ってしまったんだよ。俺に恵美以外の女の子との接触を禁止するとか色々と言われてしまったんだよ〜」

　悲しそうな顔で、俺に訴えてくる。

「別に、幼馴染が彼女なんだから他の女性と話したり告白とかしなければいいだけじゃないのか？」

「いや、青春は今だけなんだよ。だから、俺は告白とかしまくってるんだよ。」

「そういえば、宮村にもしてたな〜」

「ああ、速攻で断られたがな。だから、俺はお前が羨ましい」

「いやいや、小学生くらいから彼女がいるお前の方がリア充で羨ましがられると思うが。」

「でさ、次に知らない女の子と喋ったら俺のことを監禁するとかなんとか言ってきたんだよ。怖くないか。」

「怖いな〜」

　他人事なので、他人事のような返事をした。

　まあ、こんなことはよくあることだ。むしろ、よくこんなやつと何年も付き合ってるなっとまで思う。

　まあ、それだけ恵美ちゃんが心が広いんだと思う。

　恵美ちゃんと妹のしずくと同級生だから、たまに話題とかに上がってくるけどとっても普通で真面目な感じなんだよな〜

　木村の時だけは、少しメンヘラかするんだけど。

「だからさ、斉藤の妹のしずくちゃん。同級生で同じクラスだからなんとか説得してくれないかって言って欲しいんだよ。」

「いや、お前がその性格を治せばいいんだよ。簡単な話じゃないか。」

「それは、無理だ。」

「でも、監禁とかはただの脅しだろ？」

「いや、前にもそんなことがあって、カッターナイフ持ちながら脅されたことがある。あの時は、なんとか謝ったりご機嫌取りをしたりとなんとかなったが、恵美はやると言ったらやる女だ。」

　真剣な顔で言っていた。

　クズだな。

　そう、口に出そうになったが、心の中でグッと抑えた。まあ、妹に頼むぐらいならしてあげんでもない。

　もしかしたら、恩を打っておけば何かある時に役に立つかもしれない。恩を売る時に打っておく。

「わかった。一応、妹に言っておくは。」

「おお〜ありがとう！！」

　めっちゃ嬉しそうな顔をしているが、うまくいくかは保証しない。

　もし、しばらく学校に来なかったら、俺は『ああ、アイツ今頃監禁されてんだろうな〜』っと思うことになるだろう。