第19話 お姉ちゃん(宮村)

「お姉ちゃんどうだった〜」


 家に帰ってきた結奈は、早速ニヤけ顔で結果を聞いてきた。


「バッチリ、驚いてくれた。」

「へえ〜で、服はどうだった〜」

「え、いや〜それは。えへへ。」


 宮村は、嬉しそうな反応を隠しきれずにいた。


 その様子を見た、結奈は『可愛い』『似やってる』とか言われて嬉しそうにしているんだな。っと確信していた。


「で〜お姉ちゃはお兄ちゃんになんて言われたの〜」

「似合ってるってさ。」


『お姉ちゃんは、胸が大きいのがコンプレックスで、男っぽい格好でするようになったけどお兄ちゃんの事になるとだいぶお姉ちゃんの反応が可愛いすぎる。メス堕ちしてきてる。もっと、お姉ちゃんがメス堕ちしていく姿が見たいし、もっとからかってあげたい!!』


 結奈はそう、心の中で思った。


「他には?」

「えっと、この髪型でも可愛いって。」

「まあ、最近はショートヘアーが可愛いって言うし、良かったじゃん。それで、私が気を使って家に居なかったけど何かあった〜」

「いや、ゲームしたよ。」

「ええ〜もっとあるでしょ!!」


 もっと、体の関係に至ったとかの話を聞きたかった、結奈はがっかりしていた。


「まあ、これからはあの服を着てお兄ちゃんとデートするのかな〜」

「しないよ。だって、あれは、先輩を驚かせる為にしただけだし、それに僕があんな可愛い服着てたら先輩に嫌われるかもだし、だからあの服はもう着ない。」

「はあ!?お兄ちゃんが、そんな事言わないでしょ。」

「わかんないじゃん。もしかしたら、今までの僕のことが....ぶつぶつ....」


 何か、ぶつぶつと言っている宮村。


 それを見た、結奈は少しイラッときてしまった。


「へえ〜それなら私がお兄ちゃんをとってもいいかな〜」

「え!?」

「だって、お兄ちゃんにあまりアピールしてないから、彼氏として私の方がいいかな〜って」

「ダメだよ。僕の彼氏なんだから」


 すぐに、宮村は拒否した。


「へえ〜一応〜彼氏としているんだね。じゃあ、私に取られないように頑張ってね〜」


 結奈は、宮村をからかいもっと、可愛いところを見たいが為に、勝負を挑んだ。


***宮村の家に帰ったら斉藤***

 

「いや〜良かったな〜ゲームもだけど宮村もオシャレしたら可愛いのか」


 俺は宮村が今日着ていた服装を思い出していた。


「お兄ちゃん顔キモいよ。」

「おい、ひどいじゃないか。」

「だって、ニヤけてたんだもん。」

「そうか、俺ニヤけてたか。はっず。」


 自分の顔を触れて、確認した。


「なんでニヤけてたの?」

「ああ、宮村がオシャレしていてな、案外可愛かったんだよ。」

「へえ〜あのかっこいいお姉ちゃんがね〜絶対ギャップとかで可愛いだろうな〜今度、写真撮ってよ。」

「わかった。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る