第16話 拗ねた宮村と妹

「お姉ちゃん。」

「....」


 妹の結奈が話しかけても、宮村は反応せずに無視をしている。


「お姉ちゃん怒ってるの〜?」


 そういうと、宮村は頷いた。



「先輩と手を繋いだ。それに、僕に内緒でデート見たいなことしたから話きかない。」


 家でも、イケメンなお姉ちゃんである宮村は、ニャン猫を抱いて拗ねている。


「でも、お兄ちゃんのこと許したんでしょ。」

「先輩だけは許した。だけど、結奈のことは許さない。」

「ええ〜」


 流石に、ここまで拗ねられたお姉ちゃんを見るのは初めてな、結奈は少し困惑していた。


 もしかしたら、このまま話を聞いてくれないkもしれない。そしたら、お姉ちゃんで遊ぶことができないと考えて結奈は、斉藤に頼ることにした。



「お兄ちゃんと、連絡先交換しててよかった〜」


結奈は、ナインで『お姉ちゃんが拗ねて話聞いてくれない!!お兄ちゃん助けて!!』っと送った。


 少しして、斉藤から『全力で謝ったりして、なんとか許してもらいなよ。』っと、冷たい返事だった。


「むぅうう。お兄ちゃんのバカ!!」


 結奈は、頬を膨らましながら、不満をあらわにした。


******


 ナインで、宮村に連絡した。


『宮村、結奈ちゃんのこと許してあげなよ。』


 俺は、仕方なく結奈ちゃんの頼みを聞くことにした。


『急にどうしたんですか?』

『いや、結奈ちゃんにナインで頼まれたんだよ』

『そうなんですか。だけど、嫌です。』


 結奈ちゃんを許してあげようとしない。と言うより、宮村は何を怒っているのか結奈ちゃん聞いてみる事にした。


『宮村は何を怒ってるの?』

『実は、お姉ちゃがお兄ちゃんと一緒に手を繋いでたり仲良くしていたのが不満で、お姉ちゃんが怒っちゃったの。』


 全く、宮村も可愛いとこあるんだなっと思いつつ、宮村の機嫌取りをする事にした。


『宮村、結奈ちゃんと手を繋いだから八つ当たりみたいな感じになってるんだって。』

『そうですけど!?そんな僕を知って失望した!?』

『いや、失望とかしないが。それに、宮村が結奈ちゃんに嫉妬しなくていいぞ。俺は、宮村の彼氏だしだ。結奈ちゃんより宮村の事が好きだぞ。』


 っと返信をした。


******


「お、お姉ちゃん....」

「な〜に?」


 ちょっと、機嫌が良くなっていた。


『お兄ちゃんありがとう。お姉ちゃんが、機嫌が治って口きいてくれるようになった。』

『良かった。もう、宮村をからかったりするなよ。』

『う〜ん....』


 歯切れの悪い返事を結奈が返し、斉藤は『あ、こいつまたやるな。』っと思いながらスマホを机に置いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る