第15話 宮村が冷たい。
昨日は話しかけても普通だったのだが、今日の宮村はどうしてか話しかけても冷たい。
「なあ、宮村」
「なんですか?」
「いや、なんか怒ってないか?」
「別に」
冷たい態度で、俺の何かに怒っている様子。なんで、怒っているのか聞き出そうにも答えてくれないので、ご機嫌を撮ることさえできない。
さて、どうしたことか....
困ってしまった俺は、恋愛経験が豊富な木村に話を聞くことにした。
「なあ、木村。宮村が、冷たいんだよ。」
「齋藤お前、何したんだよ。」
「何もしてないよ」
「いつから」
「今日から」
「じゃあ、宮村と昨日会った?」
「ああ、ゲームセンターで」
木村に色々と聞かれ、宮村が俺にだけ冷たくなった理由を探ってくれた。
「じゃあ、ゲームセンターで何かしたんじゃないか?」
「いや〜別に何もしなかったけどな〜ゲームセンターに行く前は宮村の妹とクレープ食べて手を繋いでゲームセンターに行ったくらいだけど....」
「いやそれだろ!!」
昨日の事を口に出しながら、木村に教えていると突然立ち上がり叫んだ。
「え?」
「齋藤が宮村の妹と手を繋いでいたことが気に食わなかったんだよ。彼女である宮村より妹と手を繋いだことが不満だんだよ。」
「それだけで〜」
「そう、放課後にでも、謝って手でも繋いでこい」
っと、アドバイスをもらったので、早速ご機嫌砦もしようと放課後の帰りに宮村に話しかけた。
「なあ、宮村。」
「なんですか」
「結奈ちゃんと手を繋いだことに怒ってるのか?」
「そうですけど!!」
「いや、あれは結奈ちゃんにねだられただけであって、別に好きで手を繋いでた訳じゃないぞ。」
そういうと、宮村は俺の方を見て驚いた。
「え、そうなんですか!?」
「そうだよ。」
「嘘じゃないんですね」
「ああ」
そういうと、少し機嫌が戻ったような気がする。
「へえ〜そうなんだ。なら良かった。」
「ようやく、いつもの宮村に戻ったか。」
俺は、なぜかホッとした。
****
「結奈嘘ついたな。」
「あ〜バレちゃった〜」
「手を繋いだのは、結奈の頼みだったし!!」
「えへへ〜」
嘘がバレたにも関わらず、嬉しそうな顔をしている。
結奈は、姉である宮村をからかうのが好きなのか、はぐらかして、また姉である宮村に何をしようか企んだ顔をしながらはぐらかしていた。
「もう、結奈嫌い。」
「え?」
宮村は、拗ねてしまった。
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