第9話 お弁当の感想

 お弁当はおいしかった。このお弁当の容器は、放課後にでも返そうと自分のカバンの中に入れた。


「よお、いきなりお弁当とか渡すから驚いたじゃないか。」

「いや、言ってったじゃないですか。お弁当作るって。それより、僕の作ったお弁当はどうでしたか?」

「まあ、美味しかったよ。それに、ゲームで、出てくるお弁当を再現しているとかすごいっと思ったよ。女性達からも、驚きや株が上がってたよ。」


 嫉妬の念を込めながら、教えてあげた。


「イケメンな僕が美味しいお弁当を作れるとか、完璧すぎません!?」

「はぁあ!?自慢か」

「はい」


 否定することなく、はっきりと認めた。


「まあ、お弁当がおいしかったのは確かに認めてやるよ。」

「え、へへへ〜」

 

 褒められて、嬉しいのか喜んでいた。それと、鞄の中に入れていた、空のお弁当箱を宮村に渡した。


「へえ〜先輩。全部食べたんですねえ〜」

「ん?なんか、ダメだったか?」

「い、いえ。むしろ嬉しいですよ。」

「そうか」


 下校中に、俺が食べたお弁当箱の中身を確認してニマニマとした顔をしている。もしかして、何か仕込んだのではないかとか一瞬思ってしまった。


「というより、何をニマニマしてるんだよ。」

「いや〜先輩は意外に好き嫌いとかないし、出された物もはなんでも食べるんだなっと思って。それに、お弁当とか美味しいとか完食されると嬉しいので、つい顔に出てしまうんですよ。」

「そうか。まあ、俺の嫌いなキノコとかも入っていたが、宮村が作った物だと思ったら残すのは悪いと思って食べたからな。」


 そういうと、何故か驚いた顔をして顔を近づけてきた。


「え、先輩って、きのこ嫌いなんですか?」

「ああ。」

「それより、僕が勝手に作ったんですから、別に残してくれてよかったんですよ。」

「それは、普通にもし分けないからそんなことはせん。」


 俺はそう言い切った。

 

 まあ、実際はお茶を片手に頑張ってきのこを流し込んだとは言えない。


「先輩って、意外に優しいですね。」

「そうか?」

「まあ、僕には負けますけどもね。」

 

 ちょうど、分かれ道になったり宮村は家に帰って行った。




 




 

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