第8話 弁当
「でさあ、お弁当作ることができたんだよ。」
「おお、かなり確率低いからな。それに、回復アイテムお弁当があるだけで、どれほどボス戦が楽になるかだな。」
俺は、唯一このクラスでの話し相手の木村。
木村は一個下で妹と同い年の幼馴染と付き合っているリア充野郎である。そんな木村と昼休みに話していると、廊下が騒がしいことに気づいた。
「なんか、廊下騒がしくね。」
「あ〜宮村くんが来てるんだよ。ほら、女性が群がっているし。」
このクラスに来るっていうことは、俺に何か用があるのだろうか?俺は、宮村が居る廊下の方に行くと、案の定に宮村が上級生に女性達に囲まれていた。
「あ、先輩。昨日言っていたお弁当作ってきましたよ。」
「マジか。あれ、鵜呑みにしてたのか。」
「ふふふふ、僕を舐めてもらっては困りますからね。」
そういうと、女性達キャーと黄色い声援が上がった。
『宮村くん。私にも今度作ってほしい!!』
『私も!!』
などという、羨ましがられている。
「ごめんね。僕は先輩しか作らないんだ。」
そう言われると、ガッカリした女性達が多くいた。
「はい、先輩。これ、どうぞ。」
「あ、ああ...ありがとう。」
俺は、今日はパンだけだったので、少し物足りないと思っていた。なので、余裕でお弁当を食べることができる。宮村は、お弁当を渡すと自分おクラスに帰って行った。
自分の席でお弁当を広げようとすると、宮村が作ったお弁当が気になるのか俺の席に女性達が群がってきている。
『早く開けてよ。』
『は〜や〜く』
『もったいぶらないでよ。』
急かされながら、お弁当の中身を開けると、ゲームで作ったお弁当と同じだ。
「す、すごい再現度だ。」
木村は、お弁当を見て驚いた。
「え、何かこれ。」
「す、すごいけども...木村くん意外にも個性的なお弁当...」
など、反応はみんな驚いていたり、唖然としている感じだ。
まあ、お弁当にきゅうりとかきのことか入って、色とりどりだけども、見た目がお弁当と言うのだろうか...疑問が生まれてしまうお弁当。
だが、ゲームを知っている俺からしたら、すごい。一度、どんな味か知ってみた買ったので、かなり嬉しい。
お弁当を包んでいる布から、割り箸が用意されていた。気が利く。
その割り箸で、お弁当の中身を食べてみると見た目は雑だが、素材が美味しい。お肉はしっかりと味が染みていたりと、お弁当としてはかなり手の混んでいる。
「うまい。」
俺はそう呟いてしまった。
『え、うまいんだって。』
『さすが王子様。お弁当を作るのも上手とか素敵すぎる。』
『かみいい!!』
と、宮村に対する女性達の株がさらに上がっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます