第5話 強がり
休みの日に宮村と一緒に映画を見に行っていた。
「宮村くん。あの怖いホラー見たの?」
「そうだね。怖かったらこんど一緒に行ってあげようかなお姫様」
「きゃー!!お願いしたい!!」
っと、あんなに怖がっていた映画を他の女性達に1人で見たと嘘をついて女性にホラー怖くないよアピールして、女性達に黄色い声援を浴びている。
はぁ?ずる。俺の方が、ホラー耐性あるし。むしろ、宮村の方が、怖がりで帰り道に驚いてたし。
と思いながら、廊下で先輩や同級生達に囲まれている宮村をチラッと見て通った。
・・・放課後・・・
俺と宮村は、帰宅部なので一緒に帰る事が最近多い。前は、色んな女性と一緒に帰っていた。側から見たら、もうハーレムだよ。
正直言うと...羨ましかった。
「宮村、廊下で嘘ついてなかったか〜ホラー実は苦手なのに別の子と映画行って大丈夫なんか〜」
あの、廊下の事は鼻についた。なので、煽る感じで宮村に言ってみた。
「何のことですか〜?先輩は僕が他の女性と映画に行くのが嫌なんですね。」
「そんなわけあるかよ。」
「意地っ張りだな〜」
何故か、俺は上から目線で言われているんだが!?
「俺は女性と行かれるより俺が知らん男と映画に行かれる方が嫌だわ。」
「え、あ、そうなんですか。まあ、僕みたいなイケメンを好きになるのは先輩ぐらいでしょうし安心してくださいよ。」
「はぁあ?何言ってんだ。宮村に好きになるやつは俺以外にも居るだろ。何言っているんだ?」
俺が思った事を言うと、何故か顔を逸らしている宮村。
「そ、そうなんですね。」
「おい、何で顔を逸らしているんだよ。前向かないと危ないだろ。」
「わ、わかってますよ。まったく、先輩そんな事良く言えますね。」
「何がだ?」
「他の男と一緒に行ったらとか、色々」
「俺の本心なんだから、何が恥ずかしいとかあるんだよ。」
「そ、そうですか。」
っと、そこからあまり会話が弾まなかった。たまに宮村が黙る事があるんだが何なんだろう。
・・・宮村自宅・・・
宮村は、家に帰ると速攻でソファーにダイブをして、先輩と一緒に帰っている時を思い出していた。
「もおおおお、なんなん。先輩は何の恥ずかしそうな素振りとかしないで、あんな恥ずかしい事言えるの!?本心だからかって、そんな恥ずかしさとか分からないの?これって、僕がおかしいののぉおおおお!!」
恥ずかしさと嬉しさが入り混じり、口をソファーに押し付け声を抑えながら叫んでいた。
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