第4話 初デートは映画館(ホラー)
なんやかんやで、付き合うことになった俺達は、ゲーム内チャットのやり取りでデートをする事になった。
『先輩大変でしたね笑』
『ほんとだよ。まさか家族会議になるとは....』
『そういえば先輩、僕は昨日公開された『喰われたサメと愛人』って言うの見たいんですけど。』
『いや、それホラーじゃん』
『先輩、怖いんなら僕の手を握っていても良いので、一緒に来てくれない?カップル割で安くなるので』
『怖いわけないだろ。上等だわ!!行ったろうじゃないか。』
『さすが、先輩。』
『じゃあ、明日、僕と映画デートですね。』
という感じで、デートをする事になった。
しかし、なんというか変なホラー映画タイトルだよな。っと、思いながらジーッと今日見るポスターを見ているとジーパンを履いた宮村がやってきた。
『先輩、おはようございます。」
「いや、20分くらいなったぞ。」
「すいません。ちょっと、服選ぶのに手間取りまして。」
まあ、映画の上映時間内に間に合ってよかった。
宮村が来たので、早速カップル割で安くチケットを購入した。
映画の内容は、よくわからない。ジャックと言う人間に喰われたサメが、自分を食べたジャックの愛人と協力して殺していくという怖さはあるが、思ったほど怖くないなっと思いながら、数十分くらい見ていると、俺の服を誰かが掴まれた。
「な、なんだ、宮村か。どうした。」
ちょうど、映画もサメがジャックの背後のから近づいているシーンだったので少しビックリしてしまった。
「せ、先輩、何ビビっているんで、で、すか〜ぼ、僕が一緒にくっついてあげますよ。」
「いや、大丈夫だが?」
小声でやり取りをしていた。怖かったのか、最後まで宮村は俺の服を掴んでいた。
「意外に怖くなかったですね。」
「そうか?宮村、めっちゃ怖がってなかったか?」
「僕が、そんな事ある訳ないじゃ無いですか。」
絶対、強がっているのは、もうバレバレなのにも関わらず頑張っている。
自分のキャラを保とうとしているのだろうかな?なら、なんでホラー映画を見ようとしたのか不思議だ。
だが、宮村が怖がっている様子は新鮮だ。俺の好奇心は止められない。
宮村とは、帰り道が同じなので、しばらく一緒に歩いている。
「先輩、あのサメとジャックの愛人ってどんな関係なんでしょうね....先輩?」
宮村は、胸が大きい。胸のせいで死角になった場所に俺は隠れた。
「せ、先輩?」
思惑通り、俺を見失ってキョロキョロしているようだ。
「わ!!」
「ひゃ!!」
「フハハハ!!驚いてやんの」
「せ、先輩。ビックリするじゃないですか。」
「怖かったら、怖いって意地張らずに言わないから驚かしてやろうと思ってな。」
「酷いっすよ。」
不満そうな顔を初めて見れて、満足。思惑が成功した達成感と満足感を持って足取り軽く宮村より前に出てルンルンで帰っていると宮村が急に俺のお腹あたりを突いてくる。
「おい、痛いじゃないか」
「せんぱい、これは僕の復讐ですよ!!」
「いた、地味に痛いぞ。」
宮村の突きは、数分続いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます