初めての依頼①
最初の集団戦闘訓練の授業が行われた週末、私はジークに誘われ、ラフィー、イゴールと共に、冒険者ギルドに顔を出していた。
というのも、週初めにマークが言っていた、冒険者ギルドで発行されている最低ランクの依頼を受けるためだ。
私もギルドの依頼にはどんなものがあるのか興味がある。
ギルドにやってきた私たちは、さっそく受付嬢から案内を受け、クエストボードの前にやってきていた。
クエストボードには様々な種類の依頼が張り出されていて、魔物の討伐を依頼をはじめ、素材の採取などがある。
他にも倉庫の掃除や、町の警備といった雑務のような仕事も存在していた。
魔物の討伐にはランク制限があり、そのランクに到達していない冒険者は依頼をうけられないようになっている。
私たちは見習いランクとして扱われているため、受けられる討伐依頼は今のところないようだ。
そうなると、採取や雑務の依頼を受けるしかなさそうだな。
魔物の討伐ができないとなると、あまり参加する旨味はないかもしれない。
私は今日はこのまま帰ろうかな。
そう考えていると、不意に誰かが話しかけてきた。
???「あれ?ジークとイゴールじゃん。」
そちらを向くと、どこかで見たことのあるショートボブの栗色の髪をした、猫耳のリカントの女の子が話しかけてきた。
ジーク「お!マノンじゃん。」
イゴール「おっす。」
マノン「みんなも依頼を見に来た感じ?」
ジーク「そうだな。マノンは1人なのか?」
マノン「うん。友達はみんな用事があるって。」
マノン「でも、どんな依頼があるか気になってさ。」
マノン「見るだけならいいかなーって思って。」
イゴール「じゃあよ、俺らと一緒になんか受けようぜ。」
マノン「え…?っといいの?」
マノンはそう言うと、私とラフィーの様子を窺うように見てきた。
「いいよ。私はエレノア。よろしくねマノン。」
ラフィー「はい。私も大丈夫です。私はラフィーです。よろしくお願いしますねマノンさん。」
私とラフィーが了承すると、マノンは嬉しそうにうなずいた。
マノン「ホントに!?ありがとう。」
マノン「改めてわたしはマノンっていうの。よろしく、エレノアにラフィー。」
マノンとあいさつを交わし、わたしたちは再度依頼の山をあさり始める。
最終的に、私たちは救命草の採取依頼を受けることにした。
場所はバルム砦から東だ。
本来なら見習いである私たちの監督役に、現役の冒険者がついてくることになっていると受付嬢が話していた。
けれど、現在冒険者たちは丁度出払っているらしく、私たちは活動エリアについて言及された。
そのエリアの外には、魔物がでるため絶対に近づかないように、と。
そんな話を聞いたら、行ってみたくなるのが人の性だというのにね。
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