集団戦闘訓練②
俺たちは集団で戦うための術を一通り教わった。
集団で戦うときにもっとも重要視されているのが役割らしい。
もっともスタンダードな組み合わせが、攻撃役となるアタッカー、防御役となるディフェンダー、回復役となるヒーラーの組み合わせらしい。
ここからさらに、支援役やサブアタッカーなどの役割が増え、大体5人、多くて6人くらいで戦うのがベストらしい。
それ以上増えると戦場がややこしくなって連携が難しくなるからだそうだ。
さらにできるだけ前衛の数が半数以上になるようにパーティーを組んだ方がいいとも教わった。
前衛が少ないと、後衛に向かって敵がなだれ込んできてしまうからだそうだ。
俺はこれから仲間をあと3、4人を集めないといけないな。
イゴールはディフェンダーを目指しているみたいだから、俺がアタッカーとして、欲しいのはヒーラーか?
ラフィーはエレノアと行くだろうし、神官の仲間を探さないとなぁ。
今度ピーターに声をかけてみるか!
ピーターっていうのはこの国の第三王子で、同期のトップ3に入る実力者だ。
授業が終盤に差し掛かると、マークが全体に向けて声をかけた。
「それじゃあ最後に、3人組を組んで模擬戦をしてくれ。」
「組み合わせは自由に決めてもらって構わない。」
「模擬戦を始めるなら、空いている講師に声をかけるように。」
「模擬戦のルールはHPが3割減ったら、死亡扱いとし、戦闘から離脱してもらう。」
マークの号令に従い、俺たちは一斉に動き出した。
「相棒、組もうぜ!」
「おう。」
「あと一人はどうする?」
「実は声をかけようと思ってたやつがいるんだ!」
俺はそう言って、一目散に駆け出した。
「ピーター!俺たちと組まないか?」
ピーター「ジーク君か?メンバーはイゴール君だね?」
「おう。」
ピーターは少しだけ考えるそぶりを見せる。
ピーター「オーケー。組もうか。」
「よっしゃ!」
ピーター「よろしく。」
「よろしく!俺のことは呼び捨てでいいぜ。」
イゴール「よろしくな!俺も呼び捨てでいいぜ。」
ピーター「わかった。よろしく、ジーク、イゴール。」
俺たちはお互いに手を交わす。
ピーター「さて、あとは対戦相手だね。」
ピーター「組み合わせが決まったチームを待とうか。」
ピーターの提案にのり、対戦相手を待つ。
すると俺たちに声をかけてくる人物が現れた。
「やぁティダン。こうして話すのは初めてだね。」
ティダン?太陽神と同じ名前か?そんなやついたっけ?
人違いだと思い、俺たちはそのまま聞き流す。
「おいおい、無視するなんてひどいじゃないか。」
俺たちは仕方なくそっちの方を向いてみる。
するとそこには斧を背負いよろよろとしたタビットと、そいつに付き従うルーフォークの少女が立っていた。
「やあティダン。ボクはグレンダールだ。現世では久しぶりといった所だね。息災かい?」
こいつ今グレンダールって言ったか?
グレンダールって確か、古代神の一人だろ?
ピーター「やあフラム。彼はジークだよ。」
ピーターは何事もなかったかのようにふるまう。
フラム「ジーク…ああ、ティダンの現世の名前か…」
フラム「ならこれから公の場ではボクもジークと呼ぶとしよう。」
「なあフラムって言ったっけ?なんで俺がティダンなんだ?」
フラム「なに、ボクの直感がそう言ってるだけさ。」
ダメだ…さっぱりわからん…
???「ウフフ…この兎ちゃんの言うことは、真に受けると疲れるだけですよ?」
???「申し遅れました。わたくしはフラム様の従者をしております、セリーナでございます。」
「俺はジークだ。よろしくな。」
イゴール「イゴールだ。よろしく!」
ピーター「それで二人は何の用で話しかけてきたのかな?」
フラム「フフ…いやなに。」
フラム「ティダ…ジークたちとボクらとで模擬戦でもどうかと思ってね。」
ピーター「君たちのメンバーはフラムとセリーナ、あとは決まっているのかい?」
セリーナ「それですが…」
???「ごめんごめん、お待たせ!」
そう言って俺たちのもとにやってきたのは、進級試験で少しの間一緒にいた女の子、ウラだった。
ウラはレプラカーンって種族らしい。
「よっ!ウラ!」
ウラ「久しぶりジーク、イゴール」
イゴール「おう!」
ウラ「あ、初めましてピーター王子。私、ウラっていいます。」
ピーター「初めましてウラ。僕はピーターだ。よろしく。」
ピーター「ということは、君が彼らの3人目のメンバーかな?」
ウラ「そうです。えっと私たちは今から王子たちと模擬戦をするんですか?」
ピーター「そういう話になっているけど、嫌だったかな。」
ウラ「い、いえ!とんでもない!よろしくお願いします!」
ピーター「無理そうなら断っても大丈夫だよ。」
ウラ「大丈夫です!ほら、先生に報告に行きましょう!」
ウラはガチガチに緊張した様子で先生の元へとかけていった。
イゴール「どうしたんだあいつ?」
「さあ。王子が相手で緊張してるんじゃね。」
イゴール「なる。」
ウラが報告すると、すぐに俺たちの試合が始まった。
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