成人の儀⑤
扉の取っ手に手をかけると、扉に鍵は掛かっていないようで問題なく開いた。
扉の先は通路になっていた。
俺は聖火をかかげゆっくりと通路に足を踏み入れる。
まさか、冒険者になる前にこんな経験ができるなんて思ってもみなかった。
浮ついた気持ちを抑える為、パシリと頬を叩き、気を引き締める。
今まで見てきた本の中には、様々な冒険譚のほかに、冒険者のイロハが書かれた本も読んできた。
難しい内容を理解するのに苦労したが、こういった状況は冷静に対処しなければならないと、どの本でも書かれていたことだ。
俺は周囲に気を配りながら通路を進んでいった。
時折後ろもチェックし、エレノアがついてきているかどうかを確認するのも忘れない。
少し歩くと通路は終わり、開けた部屋にでた。
奥には仰々しい扉と、2対の竜の銅像がおかれていた。
右手には小さい扉が一つあった。
仰々しい扉を見つめていると、なにか違和感を覚えた。
なにか、揺れているような?
じっとそれを見ていると、
「ジーク、魔物だよ!構えて!」
とエレノアが叫んだ。
俺はその声にうなずき、聖火を床に放り投げ、慌てて鉄の棒を構えた。
聖火の光に照らされると、扉の前に人型の黒い影が揺らめいていた。
「あれは、ガストだ。魔法によって生み出された人口生物だね。」
「魔法で!?」
「うん、さしずめ、遺跡の番人ってところかな?それにしては少し弱い気もするけど。」
「弱いなら、勝てそうだな!」
「うん。手っ取り早く倒そう。」
「おう!」
俺たちは鉄の棒を構え、影の魔物ガストに攻撃を仕掛けた。
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