成人の儀①
俺は思いのほか早くに目を覚ましてしまった。
今日は成人の儀ということで気持ちが高ぶっていたのかもな。
気持ちを落ち着かせるため、軽く汗を流すことにした。
しばらくランニングをしていると、丁度いい時間になったので切り上げて孤児院に戻った。
水を浴びて汗を洗いを落とし、朝食を頬張り、バリーじいちゃんからもらったナイフを装備して孤児院を出る。
出発の際、メアリー姉や孤児院のみんなから声援をもらった。
これがあれば俺にできないことはないぜ!
村長の家にたどり着くとすでにエレノアと村長が俺を待っていた。
「ごめん、遅れた?」
「いいや、まだ時間には少しある。」
遅刻してしまったと思ったが、どうやら勘違いだったようでなによりだ。
「さて、時間にはまだ早いが、揃ったようだし始めるとしようか。」
「すでに通告した通り、お前たちにはこれから成人の儀に挑んでもらう。」
村長はそう言うと、長々と説明をおっぱじめやがった。
なげぇよ!眠くなるわ!後たまに関係ない話すんな!
「最後に、これを受け取りなさい。」
ようやっと話が終わったと思ったら、村長がバックパックを差し出してきた。
中身を見てみると、ロープや小型のナイフ、そして地図が入っていた。
「その地図は祭壇までの安全なルートが示されている。」
「その地図に従って進むといい。」
「それでは村の裏口の方へ向かうとしよう。」
「火種はそこでお前たちに渡す。」
村長についていき、村の裏口にたどり着く。
村長が聖火をひとつ差し出してきたので、俺が受け取ることにした。
「頑張ってきなさい。」
村長の激励を背に俺たちは村を後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます