エレノアとジーク④

 ジークと別れた後、私は水浴びを済ませ夕食をとり、読書をしながらジークの言葉について思考を巡らせていた。


「冒険者、か…。考えてもみなかったな…」


 ぽつりと独り言ちる。

 わたしは村を出た後のことは、強くなること以外にあまり考えたことはなかった。

 冒険者という職業は危険に自ら飛び込んでいくものだ。

 ある人は自殺志願者の命知らず、なんて言ったりする。

 だが、今の私にとってはかなり魅力的な提案に思えた。

 それに、私の野望を成すためにはどうしたって人手がいるだろう。

 その野望のために、ジークを利用するのは悪くない。

 そう考えた私は、これから先のことを考えワクワクしながら眠りについた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る