第11話 話題のゲーム実況①

 翌日、佐奈さんと一緒に配信する日がやってきた。


『想乃ちゃん、今日は何をする予定なの?』

「Hobby Playtimeっていうゲームをやろうかなと・・・」


 通話をかけてしばらくした後に佐奈さんが尋ねてきた。

 私は結局昨日実況動画で見たゲームを実況することにした。


『え、そのゲームってホラーゲームじゃないっけ?』

「まあ、そうですけど。あ、運営さんの許可ならちゃんと取りましたよ」

『あ、いや・・・まあ、それなら良かった』


 なんというか、佐奈さんの様子がおかしい気がする。


 もしかして・・・


「佐奈さんってホラーゲームとか苦手でしたか?」

『い、いやそういうわけじゃないよ!ただ想乃ちゃんが大丈夫なのかなって私は心配してて』

「私はどうですかね・・・正直ホラーゲームとかやったことないんであんまりわからないですね」


 実際私はホラーゲームやホラー映画などそういった類のものには触れてこなかったので、自分がどんなものなのかまだあまりわかっていない。


『ま、まあやってみればわかるでしょ!』

「そうですね、それじゃあ配信の準備しますね――」


 そういって私は配信の準備を始めた。


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【Hobby Playtime】流行っていると聞いたゲームをやります!【#桃の空】


「あ、たぶん始まりました・・・」

『じゃああいさつしようか!』

「そうですね」


[きちゃ!]

[おお]

[こんばんは~]


「こんばんは・・・!viglow3期生の如月空乃です!」

『同じくviglow3期生の笹川桃です!今日も空乃ちゃんの見守りやっていきます!よろしくね』


[こんばんは]

[二人はホラーゲームとか大丈夫なのか?]

[見守り人w]


「そ、そうですね・・・私はあまりホラーゲームとかそういったものに触ったことがないので正直未知数?といった感じですかね。桃さんはさっき苦手ではないと言っていましたが――」

『あ・・・あ、そうだね!私は別に平気かなあ?』


[なるほど]

[まあ、あんまりゲーム触ってなさそうだし]

[桃ちゃんほんとかw]

[なんかあやしいw]


「—―らしいので桃さんはホラーゲームの先輩になるんですかね・・・?」

『ま、まあそういうことになるかもね?』

「じゃあ、今日は先輩って呼ばせてください!」

『え、』

「桃先輩!」

『っ!?』


[その先輩は本当に頼りになるんですかね]

[まあ、まだ嘘と決まったわけじゃないしね]

[破壊力・・・]

[これはヤバい]

[これがろりかわか・・・]


「じゃあ、早速ゲーム本編始めていきますね・・・!」

『お、おお!』


 ゲームを起動するといきなりムービーから始まった。

 どうやらこのゲームは日本語に対応していないらしく、私も英語は多少はわかるものの、正直あまり理解できなかった。


「まあ、とりあえず進めていきましょうか」

『そうだね!』


『あ、こっちのドアは開かないみたいだね』

「パネルみたいなのありますけど、よくわかりませんね」

『まあ、たぶん謎解きとかじゃないかな?』

「そうですね、じゃあもう反対の部屋に何かあるんですかね」

『そうだね、大体まだここはチュートリアルだと思うし、そんなに難しい謎とかはないと思うけどね』


[おお謎解き]

[そんなに難しそうではないね]


「さすが先輩・・・!」

『ま、まあね!』


[照れてる?]

[まじで破壊力やばいな]


 隣の部屋に向かうとヒントらしきものを見つけたので、それを入力しに再びこのドアに戻ってきた。


『おお、開いたね!』

「これであっていたみたいですね、桃先輩!」


 部屋に入るとそこにはカセットテープが置いてあった。


「これをここに入れればいいんですかね」

『たぶんそうっぽいけど・・・』

「じゃあ、入れてみますね!」


 そうして再び英語のムービーが流れ出した。でも今回は英語が流れるわけではなかった。どうやらここからはグラブパックを使っていくらしい。


「おお、おもしろいですね!」

『今後はこれを使って攻略していくっぽいね』

「そしたらここに手を合わせたらいいんですかね?」


 そういって明らかに手をここに合わせてくださいと光っている箇所に合わせてみた。


「お、扉が開きましたよ!」

『おお、順調だね』


[いいね]

[賢い]


 そして扉が開いた先に待ち構えていたのは、この作品のゲームを始める前のチャプター選択の際にいた青い化け物だった。


『え、空乃ちゃんすごいがんがん進んでいくね・・・』

「え、まあ・・・そうですかね?」


[たしかにw]

[勇気あるな]

[桃さんびびってるんすか?]


「あ、ハイタッチできるじゃん」

『空乃ちゃん?!』

「え、急にそんな大声だしてどうしたんですか・・・?」


[楽しそうでなによりです]

[!?]

[びっくりしたw]


『あ、いや・・・そんなに迂闊にこんな化け物に触ったらなにが起こるかわからないよって伝えようと思って・・・』

「あー。たしかにそうですね。さすが先輩です!これからはちょっと気を付けますね」


[たしかにそれはそうだけどw]

[完全にビビってる人のそれで草]

[空乃ちゃんが無邪気すぎる]


「あ、ここにさっきと同じで手を合わせるやつがありますね・・・」


 そう言って私が手を合わせたとき・・・


「あ、電気が落ちちゃいましたね」

『というか、今後ろでちゃりんって音しなかった・・・?』


 佐奈さんにそう言われて振り返ると、

 青色の化け物がカギを持っていました――

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