⑳寝室 ー蒼生sideー
「可愛い、侑李くん」
「言うな…」
俺は今、侑李くんを自分のベッドに組み敷いている。
恥ずかしがる侑李くんの頬に手を添え、少し強引に俺の方を向かせる。一瞬目が合うと、侑李くんは握った手を交差させて、顔を隠してしまった。
「顔見せて…」
「無理…。…恥ずかしぃ…」
「可愛い…」
これからのことをいろいろ想像しているのだろう。その手に、チュッと音をたててキスをすると、侑李くんが、びくっと体を震わせた。でも、拒絶はされない。
(許されてる…)
それが、嬉しい。
目元を隠したまま、侑李くんが絞り出すように言った。
「…俺だって…」
手を少し下げて、潤んだ目で俺を見ながら、
「蒼生のこと『可愛い』って思ってる…」
(え?なにそれ?)
一瞬キョトンとする。でも、それが「お返し」だと気付いて、愛しさが込み上げる。
「だから、可愛すぎるって…」
俺は侑李くんの手をベッドに押し付け、唇に噛みついた。
唇をこじあけ、舌を差し入れると、侑李くんがそれに答えるように、控えめに舌を突き出してくる。
「ん、んんっ…」
俺はまた嬉しくなって、舌を絡めたり、唇で食むようにしたりして、存分に味わった。首筋にも噛みついていく。
「ひぁ…!」
ちゅっとキスの場所を少しずつずらし、ペロッと舌を這わせ、肩や鎖骨を食む。
「は、あ、ん…!」
俺の手が脇腹や胸に触れると、侑李くんはまた可愛い反応を見せてくれた。
「ん!う、ん…はぁ…はっ…!」
侑李くんは声が出てしまうのを息を吐いて逃しているみたいだった。俺は、声と同じくらい、その息遣いに興奮してしまった。下半身に熱が集まってくる。
侑李くんのTシャツを捲り上げ、頭の上でTシャツごと両腕を押さえつけた。侑李くんのことをこうやって簡単に拘束できてしまう。ほっそりとした白い肌が現れて、ごくりと喉が鳴った。ツンとなった胸の尖りを、思わずペロッと舐める。
「やっ…!蒼生…!やだっ…!」
侑李くんが体を捩った。
「…嫌?」
しおらしい表情を作って問いかけると、侑李くんの動きが止まる。
「…嫌なら、しない」
(…嘘だけど)
止める気なんかない。
「っ…いや、じゃない…」
膝頭を擦り合わせてもじもじする侑李くんも可愛い。
(うん、分かってる)
薄い胸にキスを落とす。
「あんっ…」
部屋への誘いを素直に受け入れた時点で、侑李くんが俺を欲しがってることなんて、分かりきってる。ただ、「嫌じゃない」とはっきり言葉にされるとやっぱり嬉しくて、どうしても表情が緩んでしまう。俺は、侑李くんの胸に腹に何度もキスした。その度に侑李くんはピクリピクリと震えた。
「あ、あん…っ!…やじゃな、い…。けど…恥ずかしんだってばぁ…!」
(え、何、その言い方…)
侑李くんは、潤んだ目をぎゅっと綴じて顔を背けた。
その反応に、きゅん…としてしまう。
俺はまた、ごくりと喉を鳴らす。
「すごく、綺麗…」
(それは本当)
「声も可愛い…」
「あ、ひゃ…!ああ…!」
綺麗なピンク色の突起を唇で甘噛みし、周りを舌先でくすぐり、全体を口で覆って吸いあげる。
「あ、あうぅっ…!」
反対側は手で。摘まんだり、捏ねたり、爪でカリカリ弾くようにしたり。
「んん、あ…あ…!」
侑李くんは、俺の愛撫を受けて、身を捩ったり、腰を反らしたりする。反射的にそうしてしまうのだろうが、白い体がうねる様子はただただ、エロい。熱くなって、Tシャツを脱ぎ捨てる。侑李くんのそこが立ち上がってきたのが分かった。
「…もう、キツいね…」
俺は侑李くんのベルトをはずして、ジーンズの前を寛げてあげる。
「あ、そこ、は…あん!」
下着の上から擦ってあげると、びくん、と体が跳ねる。
「脱がせたげる」
下着とジーンズを引き抜く。
「あ、やだ、やぁ」
飛び出た侑李くんのそこが、じんわりと透明な汁を滲ませている。俺の興奮も高まっていく。
「あ…待って…。何も準備…してな…」
侑李くんは、ぎゅっと目を閉じたまま真っ赤になった。
その言葉の意味することが分かり、俺のものもそそり勃つ。
(エロい…)
「う、ん…今は、まだそこまでしない…」
なんとか理性を保って、優しく話しかける。
「こっちは、後でゆっくり慣らそ…」
「あ、や…ん!」
名残惜しくて、後ろの入り口を親指で少しだけクニっとしてすぐ離す。まだ、お預けだ。
俺もスウェットと下着をずらして、先走りが滲む自分のものを露出させ、侑李くんの手をそこに導いた。
「触って…」
「あ、あ…おっき…」
侑李くんの細い指が、薄い手のひらが、大きさを確かめるように俺のものを包み込む。
「ん、そのまま動かして…」
「あ、またおっきく…すごい…」
「ちょ、侑李くん…」
好きな人に触れ、立ち上がった俺のものは、好きな人に触れられることで更に力を増し、思いがけない言葉攻めでますます大きくなった。侑李くんの手が動く。
「…蒼生」
「う、ん…はぁ…いいよ、侑李くん」
「良かった……」
嬉そうに、本当に嬉しそうに笑う。
(あ、悪質…)
素で、こんな風に煽ってくる侑李くんに、理性は崩壊寸前だった。
「…あ、ああっ!」
俺も侑李くんのそこを触る。全体を手のひらで包み込み扱きながら、先端を親指でグリグリとする。
「あ、あ、…やぁ!それ、だめ…!」
「侑李くんも気持ちいいね…。じゃ、…」
一度、侑李くんに手をほどかせて、
「あ、これって…あ…っ!」
「今日はこれで一緒にイこ…」
侑李くんに体重をかけないように覆い被さり、自分のものと侑李くんの合わせてそこを一度に握らせる。さらに俺は右手で侑李くんの手ごとをそれを包みこむと、侑李くんの横に左肘を付いて、できるだけ体を近付けた。
「しっかり押さえてて…」
ゆるゆると腰を動かす。
「あ、ああ…!な、なに、これ…!」
お互いのが擦れ合い、手のひらで扱かれると、ものすごく気持ちいい。先走りが溢れ、擦れ合うとぐちぐちと淫らな音をたてる。
「あ、ああ、蒼生、蒼生ぃ…!」
「侑李くん…!」
侑李くんはそろそろ限界が近いみたいだ。俺もさらに腰の動きを早める。
「で、出ちゃう…!出ちゃうぅっ…!」
「うん、俺も、もう…出そう…」
「あ、あ、出る!ああ、はあっ!」
「ん!あ、あぁ、はぁぁ」
びゅくっ、びゅくっと、お互いの腹や胸に、飛沫が飛んだ。
「ううっ…!」
最後まで出しきるように力を込める。これ以上出ないというところで、俺は侑李くんを抱きしめた。それに答えて侑李くんも俺の背中にそっと手を回してくる。達した後の心地よい気怠さを共有しながら、俺達は唇を重ねた。体が密着するとその間で、二人分の精液がくちゅくちゅっと、卑猥な水音をたてた。
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