第4話 雪の日に

 3年の月日が流れた。

 僕もミイちゃんら3人の女の子も別の高校で3年生になっていた。


 彼女達がおそらく冬休みのタイミングでこちらの町に来た。大晦日だったと思う。S君の家に男女7、8人で集まった。


 覚えているのは二つ。彼女がI君に呼ばれて隣の部屋でしばらく何か話していたこと。彼女がK君に体を委ねてTVを見ていたこと。高校生にありがちなシチュエーションかもしれない。


 僕はK君に離れて欲しかったが、当然言えずにいた。深夜の2時くらいになっていたと思う。


 僕はついに我慢ができなくなり、発作的にみんなに「帰る!」と告げ、S君の家を飛び出した。


 外は雪がしんしんと降っていた。

 

 すると驚くことに彼女が一人家を出て追いかけてきた。


 僕はまさかと思った。彼女の行動はうれしかったが、なぜそのような行動を取るのか理解できなかった。


 僕は立ち止まり、降りしきる雪の下、二人で向き合った。彼女が何を言ったかは覚えていない。何も言わなかった気もする。


 少しの間二人は見合っていたが、雪が彼女の頭に容赦なく降りかかるのを見て、僕は「もういいよ」と言って別れたことだけを覚えている。

 

 僕は彼女と会うのが最後になると悟っていた。

 そして、その通りになった。


 僕はそれからも長い間、彼女への想いを引きずったがどうしようもなかった。

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