第2話 ヒロインとの出会い

最初のミッションクリアをしたので、神からの報酬が何故か急に発生した。それは急なワープだ。あの狩り人の処理はしなくていいのか? と思ったが、神が消したりするのかもしれないとも考えられるため、ま、いいかと思うようにした。そして、ワープの行く先は冒険者が絶対行くだろうギルドだ。あー……ゲームでよく見たことあるやつだ。まさか俺、一人でギルドに登録か? 一人は心細いかもしれない。ここに来て、早くも心が折れる。


周りをキョロキョロすると、睨みつけられる。誰だ? と言う感じに。あぁ、俺、その前に自分の顔見たことないんだよな……そう心の声を漏らすと、何やらコンパクトな鏡が手にあり、覗き込めば、俺はミルク系? ライトベージュ? のような髪色に目は転生前と同じ水色の瞳だ! と思っていれば、何やらよく見ると片目は赤色。俺は珍しいオッドアイになっていた。細身なのは多分、転生前と変わらない。ただ、髪色、瞳は違うため、違和感は凄く顔は引きつってはとりあえず、ギルドへ登録……と思っていたら、何やら、外が騒がしい。気になるために外に出れば、俺と変わらないくらいの女子が何やら盗賊のような輩に絡まれていて、それに抵抗するように女子は剣を持っているが、盗賊たちは銃や斧、槍と言った強そうな武器を持っているため、俺はとりあえず、盗賊は悪い奴等の類いなので、その中に絡んだ。


「女子一人に対しての相手じゃないよな」


「何だお前は、見かけない顔だな」


盗賊のリーダーは俺の身なりを見ては何も持っていない為、大きな声で笑いまくる。


「ギャハハハ!! 何だお前、女より強そうなもんも持ってないのに乗り込んだのか? 俺等も舐められたもんだなぁ!」


リーダーはショットガンを俺に遠慮なく構える。すると、後ろから女子が声をかけてきた。


「武器も持ってないやつに助けられても意味がないのよ、退いてくれない?」


剣を向けられるが、どうしたものかと、悩んでいる最中に、ショットガンは俺の腹に貫通した。また血を吐き、前に倒れ込む。


「い゛たいっ……」


「だから言ったじゃない、あんたの無念をあたしが晴らしてやるから、そんなもんじゃなくて剣で戦いなさいよ!」


「はははっ、なわけないだろ、ほら、お前ら拘束してやれ!」


ヤバイ…早く回復しないとあの子が……と思っていると、痛みはすぅと消えて、俺はまた元に戻り、立ち上がる為、盗賊等は目を点にさせ、女子もキョトンとしている。


「そういえば、銃以外は試したことがなかったな……」


「な、何だ!?」


「何が起こっているの……?」


混乱しているが、盗賊たちは俺目掛けて斧、槍を持って振り掛かって来るが、硬直している俺の身体には何も貫通しない。高かったであろう斧と槍は粉々になり、好きあらばと俺はスボンのポケットから出して、心臓を一つ、二つ貫いた。その光景を見ていた盗賊のリーダーは口を開けて驚いていた。そして、俺はリーダーに向けて銃を構えていたが、相手は俺の前から離れては女子の方に行くのだ。その為、俺は集中をし、銃を心臓に向けて狙い撃つ。


「悪い奴等は俺が殲滅する」


そう口にして、俺は躊躇なく、女子の前でまた殺す。リーダーの男は血を吐きながら、女子の前に倒れた。


「な……」


両手で口を抑えては女子は恐怖の顔を俺に向けてくるので、俺はそれをシカトし、離れようとすると、女子に声をかけられる。


「あんたは誰なの? 何で死なないの、ねぇ……」


「別に……とある任務を引き受けているくらいだ。その任務中は死なない」


「は、はぁ!?」


困惑した顔でこちらを見つめるショートボブの桃色の髪色でライトグリーン色の瞳、桜の髪留めをしている女子に俺は腕を掴まれる。キョトンとした顔で見ていれば、俺を引っ張ろうとしたらしいが、俺の体は硬く引っ張れない。なので忠告する。


「おい、それ以上引っ張るとお前の手が死ぬからやめたほうがいい。で、俺に何用だ?」


「は、はぁ!?」


「驚くだろうが、俺の身体はダイヤモンドより硬い。やめておくんだな、それであんたは何を言おうとしていたんだ?」


首を傾げて女子を見れば、女子は目を泳がせてはどうしようという感じの雰囲気になっている。さぁて、これはどうしたらいいものか、と俺は考える。


「そ、そうだ、まだ名前を言ってなかったわ。あたしはエンよ、宜しく、くん」


「は……?」


「な、何よ、貴方のことを表すとしたら死しかないじゃない!!」


「俺の名前そういえば名乗って居なかったな……」


って言っても、名前なんて俺には無いんだが……と思っては適当に、女子からの助言と言うか、あだ名もあるため、こう口にする。


だ」


「は、はぁ!? 一文字!?」


「別にいいだろ、だから宜しくな、エン」


握手はできないため、俺は彼女に近づき、頭を軽くポンとしてみる。とても慣れたことではないが、そうすると顔を赤くして“えぇ”とだけボソリと口にされるため、これが所謂、萌え……なのか? なんて興味もなかった二次元のことを思い出す。


「俺は今からギルドで冒険者登録しないといけないから、これで」


「待って、貴方まだ冒険者じゃなかったの?!」


「あぁ、そうだ、それがどうかしたか……?」


彼女は考え込んだ顔をして、ハッとして俺にこう言ってくるのだ。


「貴方、私のパーティーに入りなさい、これも何かのえ……いえ、運命かもしれないから」


何かを言いかけたのは何となく察した。これではオヤジギャグと言うものになってしまうからだ。俺はしょうもなさすぎて、クスリと笑ってしまう為、彼女は察し、チっと舌打ちをする。


「じゃあ、遠慮なく入ろう……とは思う。俺は能力が死なないことだけだからな」


「あと硬化でしょ、身体の。ま、精々、パーティーのメンバーにようにね」


どういう意味だと首を傾げては俺と彼女はギルドの中へと入ったのだった。






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ブラッドミッション @azaayumi

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