第3話

…此処は何処だ?


随分と長いこと眠っていたらしい。変な夢を見ていたんだ。


って、夢じゃなかったー!!


俺はかーちゃんが今ハマっているフリマサイト経由で、里子に出されたらしい。


マジか…。


新しい持ち主、もとい保護者?に、梱包を剥がされた。

うわ、眩しい!!


やっぱり巨人の様にデカいその見慣れない女の子は、俺と同い年ぐらいだろうか。


丁寧に俺を持ち上げ、どこかに立たせた。

まぁ、立ったまんまで座れないけどね?


あまりの不思議な感覚の連続に、俺の心はもうお手上げだ。

全てがどうでも良くなって来た。


こんな人生もアリなのか。


どうせ、軽音部のボーカルも上手くいっていない日々だったのだ。

どれだけ頑張っても、ライブで人前に立つ度に、才能の無い自分を思い知らされた。


俺は、自暴自棄になって自室のベッドに寝転んだあの数日前を、ずっと昔のように懐かしんだ。


その日から俺は、女の子に溺愛される毎日が始まるのだった…。

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