第14話 優斗
お父さん。お母さん。
ごめんなさい。
これを読んでるということは今凄く迷惑をかけてると思う。
僕は僕の中の正しいことをしたんだ。
だけど、世の中は正しくない悪と判断すると分かっています。
でも、僕は許せなかった。
あんなに酷いことをする人間がのうのうと暮らしているなんて許せなかった。
そして、楓を助けたかった。
大好きなんだ。
心から大好きで仕方ないんだ。
これが最善だったかなんて分からないけど、今はこれしか思いつかなかったんだ。
楓。
こんなことしかできなくてごめんね。
僕が傍にいることで助けられることもあるかもしれない。
でも、僕にはまだ力がないんだ。
そして時間もなかった。
大人になってからじゃ遅いんだ。
力のない僕ができる精一杯のことがこれなんだ。
楓は自由だよ。
これからは幸せになれる。
その権利がある。
お父さんお母さん。
どうか楓をよろしくお願いします。
僕ができなかったことを楓の傍に居て、叶えてあげてください。
僕は人を殺してしまった。
それはいけないことだし、もっとも愚かなことだと思ってる。
だから、いくら罪を償おうが、僕もアイツらと同じくのうのうと生きている訳にはいかないんだ。
報いを受けさせたのなら、報いを受けなきゃいけないんだ。
分かって欲しい。
自分勝手でごめんなさい。
僕はなんだかんだで幸せでした。
その幸せが楓のお陰でもっと幸せでした。
ありがとう。
さよなら。
——ゆらゆらと揺れる足元に、一枚の紙が置いてあった。
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