第18話 こんなリモートはいやだ!(家造り裏話)

 1月に都内某所で久しぶりに友人数人と呑みました。


 その中のひとりの友人O君は一級建築士で、去年まで地方にいたのですが、最近東京に転勤してきました。


 彼は某大手ハウスメーカーで設計をしております。

 私の貴重なニュースソースでも有ります。


 呑み始めてしばらくして、最近仕事どうなの? という会話になり・・・


 げん「東京のお客さんはどんな感じ?」


 O君「都内と田舎じゃ求められるものがぜんぜん違うね。東京都内だと容積率の緩和をどれだけ適用させるかに頭使ってやる感じ」


 げ「ふ~ん、地価が高いから土地が狭いし仕方ないか」


 O「そうそう。げんはコロナの間どうしてた? リモートは無理だろ?」


 げ「ふつ〜に毎日現場で働いてたよ。外の人とは元々ほとんど会わないしね」


 O「そうか。俺は月の内半分以上は自宅で仕事だよ。お客さんとの打ち合わせも2回目以降はリモートなんだよ。1回目からリモートにしてほしいってお客さんもいるしね」


 げ「ほ〜。今どきだねぇ。」


 O「今の職場の人には四国から東京に結婚で転勤してきて、それでもそのまま四国のお客さんだけリモートで打ち合わせしたり仕事している人もいるよ」


 なんですと??


 げ「えっ!? 一度も土地を見に行かないで設計すんの? 土地の図面だけ見て? それでいいのか?」




 そんなリモートは嫌だ!!


 例え現地のスタッフが土地の周りの映像を送ってくれたとしても・・・事件は現場で起きている!!


 じゃなかった。


 現場をじかに見なきゃわからないことがたくさんあるだろう!?


 水はけとか、風当たりとか、土地の高低とか、雨水の集まり方とか、借景とか、数字じゃわからない道路の接道の体感とか、駐車のしやすさとか、隣が畑で土ぼこりがすごいとか、川からの距離感とか、どの高さでどの角度ならいい景色が見えるとか、お隣さんのリビングの位置とか、トイレの位置とか、お風呂の位置とか、上から丸見えとか、下から丸見えとか、犬が鳴くとか、豚が鳴くとか、臭いがするとか、隣の困ったおじさんとか、おばさんとか・・・・・


 他にも色々だ!!


 いい景色が見えそうだからって設けた大開口の窓が、引っ越して住み始めてみたらお隣さんのトイレの窓が目に付くとか、相手もそこが大開口の窓で毎回「あ、どうも」なんて窓越しに挨拶するのなんてイヤじゃないかい?


 俺は嫌だね。

 カーテンが開けられない窓になってしまう。


 新国立競技場の新築コンペで決まった設計者が、一度も日本に来たことないのにそのまま設計して、総スカンをくらったのを覚えてないかい??


 そんなのはケシカランってずいぶん話題になったよな?


 それを自宅の新築でやられたんじゃ、そのお客さんがかわいそうだよ!!


 

 という感じの討論をぶちかましてきました。


 皆さんはどう思いますか?




 ◇◇◇


家造りを考える時に、家を新築する前に読んでもらいたいエッセイも書いています。

よろしければご一読ください。

 

建設業界の中の人が語る、地震や減災をテーマにした短編エッセイはこちら


『地震に強い家ってどんな家!?』


https://kakuyomu.jp/works/16818023212172207110/episodes/16818023212172408730


シックハウス症候群をテーマにした短編エッセイはこちら


『アレルギー体質の家族の為の家造り』


 https://kakuyomu.jp/works/16817330669236786159


『続・アレルギー体質の家族の為の家造り』


 https://kakuyomu.jp/works/16818023212490836508


 

 

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