第10話 楽ちんは正義(料理)
第7話で、1番書きやすく、また皆さんに読んでいただきたい建築系のネタを自ら封印するという愚行を
必然的にその他のテーマで書くことになります。
本エッセイのタグをもう一度確認して・・・今日は料理関係にするとしましょう。#料理タグもついております♪
◇◇◇
「いらっしゃいませ~! 試食はイカがですか〜」
「あっ! この間のおねぇさんではないですか」
「薪ストーブ最高でしたよ、ありがとうございます」
「この間のお客様ですね♪ お買い上げありがとうございます♪」
「今日は3品の試食で格付けチェック大会をしているんですよ、よろしかったらお父さんも参加していかれませんか?」
「なぬ? 格付けチェックっていうと芸能人がテレビでやっている、あの?」
「そうですよ~! 見事全問正解して、一流のお父さん・お母さんをキープされた方には、景品もついてくるんですよ♪」
「勝負の方法は、一流のシェフが普通のお鍋で作った『イカ大根』『牛スジの煮込み』『もつ鍋』と、私がこの凄いお鍋で作ったものとを食べ比べて、一流シェフの作ったものを選ぶんです」
「見事に全問正解できたら一流のお父さん。1個間違えるたびに普通のお父さん→二流のお父さん→三流のお父さんとランクダウンしていきます。使う食材はもちろん同じものですよ。どうですか? やっていかれますか?」
「はっはっはっ、この私に食べ比べ勝負を挑むとは無謀なおねぇさんだ。このお父さんはね、若かりし頃に『美味し○ぼ』を愛読して、さらに『美味しん○』のアニメまで視ていたんだぞ、一流を見分けるなど造作もないことさ」
「では参加されますね。1名様ごあんな〜い♪」
「では、第一問目は『イカ大根』です。Aからです。さぁどうぞ召し上がれ」
う、美味いな。イカがぷりぷりだ・・・そしてイカが柔らかい。味の染み込みと柔らかさの両立をどうやってるのかはわからないが、味の染み込み具合からして弱火で丁寧に炊き上げたイカ大根とみえる。これほどまで柔らかく上手に煮るなんて素人には不可能だ。こちらがプロの味だろう・・・
「続いてBでーす」
「う、美味い・・・おねぇさんや?? イカサマしてる? それとも、おねぇさんもプロの料理人?」
「い〜え〜。私は、ただの販売員ですよ。」
「むぅう。どちらも美味かったが、イカがより柔らかかったのはAだ。Aが一流シェフ!」
「ふぁいなるあんさ〜??」
「イエス!」
「せ〜かいはぁ・・・」
「Bでーす! 残念! 普通のお父さんにランクダウン!」
ぐぬぬっ
「続いて第2問!『牛スジの煮込み』です。Aからです。どうぞ!」
ー
これも、美味いな。透明に透き通るまで煮込まれた牛スジ肉が、ぷるるんとして最高だ・・・甘辛い味付けのスジ肉の旨味がぎゅっと詰まっている・・・生姜が生臭みを消してくれているからか、生臭みが一切無い。普通の肉を超えた旨味・・・これこそプロの仕事だ!!
「続けてBでーす」
うまし!
どうなっているんだ?? どっちも凄く美味い。
悩むな・・・おねぇさん実は凄い人なんじゃ・・・
「どちらも美味かったが、Aのぷるぷる具合はぜ〜ったいにプロ!!」
「ふぁいなるあんさ〜?」
「イエス!」
「せ〜かいはぁ・・・」
「Aでっすっ! おめでとうございます、普通のお父さんキープですよ」
「よっし!! まあ、お父さんが本気を出せばこんなもんさ! なんせお父さんは『美味○んぼ』を・・・(以下略)」
「最後は『もつ鍋』でっすっ! 頑張って下さ〜い!」
「Aからどうぞ!」
モツの生臭みは一切無いな・・・甘みを感じるモツだ。
食感は・・・おぉ凄いな! モツなのに、プツプツと切れる!
もにゅもにゅといつまでも噛み切れないようなモツとは違う! それなのに・・・鍋の出汁を吸い込み旨さ爆発だ! 鍋の方にもモツの出汁が出て甘みの有るスープになってるし、凄い相乗効果だ!
「次はBでーす!」
美味いよ・・・何故だ、甲乙つけ難い・・・絶対Aだと思ってたのに・・・
「答えはA…で!」
・・・
・・・
・・・
「ざんね〜ん!! 答えはBでっすっ! 二流のお父さんに降格!!」
「バカな!? この私が、二流のお父さんだと!? アリエナイ!!」
「現実を受け止めましょう。なんとか踏みとどまって二流をキープですよ!」
「おかしい! 絶対に何か秘密が有るはず!!」
「秘密というか、このお鍋が凄いんですよ。なんとこのお鍋は『保温調理』ができるんです!!」
保温調理??
「鍋に専用の保温ケースがついてまして、鍋とケースの間に、空気層を作ることにより、保温したまま調理ができるんですよ。」
「ほう」
「だから弱火でコトコト煮るというのが、加熱し続けることなく、それ以上の効果で調理ができるんですよ。もちろん保温なのでその間のガス代や電気代はかかりません」
「保温ケースの中で周り全体から均一に火がゆっくりと入ることによって、あのイカの柔らかさと味染みの両立や、モツの柔らかさを保ちながらプツプツと噛み切れる食感を実現できるわけなんです」
「なるほど~」
「さ・ら・に! 弱火でコトコトだとお鍋に張り付いて火加減を調整しなきゃ焦げ付いちゃうけど、このお鍋なら保温ケースに入れたあとはほったらかしにできちゃいます! つまり楽ちんなんですよ♪ 空いた時間で、他の事ができるんです!」
「なんと!! 楽ちん、えらい!」
「この魔法のお鍋の名前は・・・『シャトルシェフ』です」
「買います!!」
「まぁ落ち着いて下さい。この魔法のお鍋を使えば、誰でも一流シェフになれます。ですが、当然1つの鍋で1つの料理しかできません。けれどこのお鍋を2つ使えば同時に2つの一流の料理が可能です。良いですか? つまり一流
「超一流のお父さん!!
2個売ってください!!」
「毎度カクヨムショッピングをご利用くださいまして、ありがとうございま〜す♪」
◇◇◇
サイズも同じお鍋の2台持ち。
実話です\(^o^)/
一流云々の味は、個人の感想になりますw
以上、鍋愛が爆発したお話でした。
シャトルシェフで作ったもつ鍋の画像です。
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