第14話

気付けば

私は桐壺亭で五年目の夏を迎えようとしていた。


アルバイトの仲間達が

この夏の予定を話し合っている中、

私はふと、

母の故郷でもあり父と母が出逢った

インドという国を訪れてみようと思った。


休みを取ることは簡単だったが、

問題はお金だった。


そんな時、

私は偶然、条件のいいアルバイトを見つけた。


期間は三日間。

場所は朝臣市にある別荘。

仕事内容はパーティーの準備と片付け。

そしてパーティ中の給仕。

募集人数は一名。

十八歳から二十五歳までの女性に限る。

日時は今週の週末。

急募。

面接はなし。

書類選考のみ。

報酬は十万円。

交通費は全額支給。

泊まりこみ。

食事付き。


私はダメ元で募集してみた。

すぐに連絡がきて、

私は運よくこの仕事を勝ち取ることができた。


一つ気になることがあるとすれば、

それはパーティーの内容だった。


「シュールストレミングの開封会」


私には何のことだかさっぱりわからなかった。

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