三部 History
第11話
両親を事故で失くした私は
高校を卒業するまで児童養護施設で育った。
「クリーン・ホーム」に入所してすぐ、
私はいじめの標的となった。
ハーフということで
外見が周りから浮いていたのが
その原因だった。
大人にしろ子供にしろ、
この国の人間は自分と違うモノを
排除しようとする。
それは島国という風土が作り出した
性質かもしれない。
ある時、
いじめっ子の一人が車に轢かれた。
命に別状はなかったが、
三か月の入院生活を余儀なくされた。
事故の三日前。
私はその子の運命を予言していた。
私の予言が的中したことで
私をいじめていた者達は
私の前に跪いて許しを乞うた。
私に対するいじめは終わった。
人は己の想像を超えるモノに対して恐怖を抱く。
そして畏怖は崇拝へと昇華する。
私は若干の居心地の悪さと共に平穏を手にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます