三部 History

第11話

両親を事故で失くした私は

高校を卒業するまで児童養護施設で育った。


「クリーン・ホーム」に入所してすぐ、

私はいじめの標的となった。

ハーフということで

外見が周りから浮いていたのが

その原因だった。

大人にしろ子供にしろ、

この国の人間は自分と違うモノを

排除しようとする。

それは島国という風土が作り出した

性質かもしれない。



ある時、

いじめっ子の一人が車に轢かれた。

命に別状はなかったが、

三か月の入院生活を余儀なくされた。


事故の三日前。

私はその子の運命を予言していた。


私の予言が的中したことで

私をいじめていた者達は

私の前に跪いて許しを乞うた。


私に対するいじめは終わった。


人は己の想像を超えるモノに対して恐怖を抱く。

そして畏怖は崇拝へと昇華する。


私は若干の居心地の悪さと共に平穏を手にした。

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