てぃ!


「なぁ俺たちってどうなるんだろうな」


「それなら大丈夫ですわよ!ご準備してありますわ!」


声のした方を見ると服が少し汚れている藤さんが居た。膝のところが黒くなってるあたり、正座でもさせられたのだろう。


「だそうですよ、照史様」


「ね!良かったね!美海ちゃん!桜もさ」


「「うん!(はい!)」」


「私は無視ですの…まさか放置プレッ!」


俺は靴を脱ぐと藤さんにぶつける。教育に悪いからやめなさい!藤さんは鼻をさすると俺の靴を拾い、匂いを嗅ぐ。子供に見せれない顔をしている藤さんに俺はドン引きする。ダメだよあの人は。

美海ちゃんと桜を守らないと!

俺が何とか間を持たせようとしているとお母さんたちがいた部屋が開いた。


「お待たせ!それじゃ向かいましょうか。知ってるんでしょ?愛ヶ崎 藤さん?」


お母さんと美海ちゃんのお母さんは一緒に部屋から出ると、すぐに扉を閉めて藤さんに話しかけていた。お母さんから般若が見えるのは何故だろう。

藤さんは怯えると俺の方へと近づき、靴を渡す。


「おほっおほほほほ…冗談ですのよ?…さぁ行きましょう。外に車を待たせてますからね。それと皆様には眠ってもらいます」


すると、俺の首に衝撃が来ると俺は気を失ってしまった。気を失う直前に見たのは藤さんが異常にニヤニヤしていた姿だった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


気がつくと俺はベッドの上に寝かされており、窓の外はもう夜だった。俺は隣を見るとベットにそこにはすやすやと眠っている桜と美海ちゃんがいた。


「…暴力はいかんでしょうが。首トンって5歳に首トン…って」


俺は頭を抱えていると桜が体を起こし、無理やりベッドに寝かせる。


「寝ましょう。まだ夜ですわよ」


「今何時なの?」


「知りません。おやすみなさい」


桜は俺の手のひらを頬に当てると枕にして寝始める。桜め、起きる気は無いということだな。

俺は桜の下となった指を少しずつ動かす。寝ようにも寝れないだろう。何時か確認させない罰だ。


「...やめてくれません?眠れませんの」


「ならば、俺の手を枕にしないで貰えます?」


「仕方ありませんね。よいしょっと...てい!」


桜は俺の体を起こすと首をトンとしてきた。

なんで...こいつらは...。


「ふぅ!これで邪魔は入りませんの。では、おやすみなさい」


桜は照史の胸に頭をのせ、頬をひと舐めして眠りについた。それを片目で見ていた美海はこっそり照史に近寄る。


(おやすみ、パパ)


美海は照史の手を取ると自分の頭をのせ、眠りにつく。

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