お灸を…
「こちらです」
俺たちは忍者さんについていき、ある部屋の前へと着いた。扉には部屋の名前が書かれており、『警視総監室』とあった。今から合う人って一番偉い人なんじゃないか?それってまずくない?
「驚かないでくださいね」
忍者さんがその部屋の扉を開けるとそこには…
「申し訳ございませんでした!」
土下座している女性が居た。これで驚かないでって無理が…お母さんたち、平然としてる。それよりか睨んでるな。
「あんたが黒幕って訳?」
お母さんは部屋の中に入り、警視総監であろう人の髪を掴むと顔を無理やりあげさせた。その人の顔は真っ白になっており、汗が流れていた。
「私の息子に何かあったらどうするんだい?謝って済むんだったら警察だっていらないんだが?」
「も、申し訳ございません!私の失態で…」
俺たち子供組はお母さんが怒っているのに対し、びっくりしていた。だが、もっと驚くのはここからだった。
美海ちゃんのお母さんが部屋の中に入ると顔を鷲掴みにし、体を持ち上げる。忍者さんについて目をやると静かに扉は閉められた。
…中から何やら怒声と悲鳴が聞こえるんだが…。
「さて、これからの事をお話しますね」
「え?この状況で?」
「子供たちの大好きなイベント、男子とのお泊まり会が数日後に行われます」
その言葉に桜と美海ちゃんは俺から離れ、忍者さんに駆け寄る。無視なんだね…。
俺の記憶ではお泊まり会と言えば、遊んでみんなと寝るイメージだがな。聞いた話だからうる覚えだ。俺は残念ながらお泊まり会なんて1度も経験は無いが、何がいいんだろう?
「その中では照史様がご飯を振る舞ってくれたり、食べさせてくれたり、添い寝してくれたりして貰えます」
「「やったぁ!!」」
「聞いてな…やります」
俺が否定しようと言葉を紡ぐと美海ちゃんが泣きそうな目でこちらを見てきた。罪悪感が湧いた俺はすぐに否定し、美海ちゃんを喜ばせることにした。
俺は大人だし、気にしなくていいだろう。
「照史様はみんなと寝る前に熱いベーゼを交わすのですか?」
「しない!誰情報だよ!」
「近所の方からの情報ですね。お母様とよくチュッチュしておられるとか。羨ましくて殺したくなるって言われてますよ」
おーい!元の体の照史くん、なにしてんだ!幼稚園でお母さんがやってたのホントだったのかよ!
「あのお方はかなり可愛いですし、背も低いですし
、若いですしいいですよね!ほんと代わりたいですよ!」
「代わって何するつもりだ?」
「それはもちろんお風呂とかチュッチュとかですよ…いたたた!!顔は!顔だけはやめてください!」
俺たちが危険を感じ、少し距離を取ると扉が少し開くとビキビキと音が鳴っている手が伸びる。そして、忍者さんに掴むと中へと引きづりこまれた。
…南無三。あなたのことは忘れないよ。名前は知らないけどね。
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