桜の母
お母さんらしき人が姿を現すとそこには中世ヨーロッパでしか見た事のない服装をしているドリルヘアの美人がいた。桜のドリル髪ってお母さんの遺伝なんだ。
「桜!どこに…桜!?何をしておりますの!?まさか襲ってるのですか!?…もうちょっと大人になってからにしなさい!」
「桜さんのお母さん、言うことが間違ってます」
桜のお母さんは俺たちを見つけると扇子で顔を隠し、そう言い放った。言動がおかしかったのか1人の忍者さんがツッコミを入れる。少し抜けてるのかな?桜と同じで。
「んんっ!失礼しました。皆様、ごきげんよう。私はそこのペロペロしてみたい男の子の服の中にいる子供の母ですわ。名前は藤といいますの。そこの男の子、名前は?」
「ペロペロ?えっ?俺?」
「そうですの。早く答えないと桜がどうなっても知りませんわよ!」
持っていた扇子を俺の方へビシッと指す。桜かどうなってって俺の服の中にいますけど?
「…俺のところにいるのにどうするの?」
藤さんは俺と自分の手を見比べていた。少し間が空き、はっ!という声を出し、藤さんは扇子を口元へと持っていく。
「いつの間にそちらへ!?マジックかしら…」
「どうしてそうなった…あの俺の名前は
「照史様ですわね!私のペットに…」
「悪魔め!これで成敗してくれる!」
「あばばばばばっ!」
1人の忍者は藤さんの発言がマズいと感じたのだろう。スタンガンを当て、気絶させた。
忍者がどこからか鍵を取り出すと留置所を開けた。
「…皆さんをここから出します。この人に関してはこちらで厳重注意を致します。それと!そこの少年少女にはあるものをお渡ししますので、お母さま達は別室へ、そこの先生と料理人はこちらのものがご案内します。では、先にお二人をご案内します」
「照史くん!寂しがらないでね!」
「…またね」
2人は寂しそうな表情をして、忍者について行く。その後ろを藤さんが引きずられた状態で運ばれていった。最初からインパクトの強いひとだ。
「では、残りの皆様はこちらへ。上司からの命令で合わせて欲しいとの事です」
忍者が先導し、俺たちはついて行くこととなった。桜と美海ちゃんは俺から離れず、お母さんたちはその様子を微笑ましそうに見つめていた。
目で助けてって訴えたんだがな。無駄だったか。
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