安心安全の最強の味方
「いや〜目をつけておいて良かったですよ。まさか偽物と出会えるなんて思ってもみなかったです」
「お、お主たちはい、一体誰でござるか!?」
「名乗るまでもないですし、丁度いいです。このままあの人たちに突き出しましょう」
小さな少女を捕まえていた忍者が指笛を鳴らすと警察がゾロゾロと湧いてくる。4人は抵抗虚しく連れていかれることとなり、残ったのは忍者4人と俺たちだけとなった。
「あ、あの…」
「これは失礼いたしました。我が主とお嬢様たち」
忍者たちは跪き、胸のところから何かを出す。
何かと思い近づいてみると警察手帳だった。この人が警察?そんな訳ない。
「私たちはロリっ子大好きクラブこと通称ロリコンに所属している警察でございます。この服装はいつでもバレないようにロリっ子たちを観察するためでございます。
近頃、私達の名前を勝手にだし、悪さをしているものたちがおり、桜様の頼みゆえ此度参上致しました。怖がらせてすみません」
忍者たちは警察手帳をしまうと土下座をした。
俺は忍者たちに頭をあげるように説得した。だが、忍者たちは一向に頭をあげる気配はない。俺はどうしようかとここに連れてきた張本人である桜の方へ目をやるが、怯えて何も出来なさそうだ。
「照史くん。ここは先生たちに任せて桜ちゃんのことをお願いできないかな?」
俺は頷くと桜と一緒に端の方へと行くと美海ちゃんもやってきた。桜の様子を見ていたのだろう。心配そうな表情をしていた。
「桜、もう危険は無くなったよ。もう怯えなくて済むよ」
「ほんとに?」
桜はかなり怖かったのだろう。その目には涙が浮かんでいる。俺は平気だが、この子達はまだ5歳だ。そんな子供が誰かから狙われる状況を経験してしまえば、怯えることは必然だ。
「あぁ。もう悪い人たちはやっつけてくれたからね。これで安心だ。俺たちもそれと桜もね」
「……うぅ」
桜は俺に抱きつくと静かに泣き始める。お金持ちで人に弱音を吐けなかったのか、しっかり者として意地を張っていたからか。
俺にはそれが分からないが、声を殺して泣くって事は子供のする泣き方じゃない。
俺は桜を優しく抱きしめると桜は俺を強く抱きしめ返す。美海ちゃんもなにかしてあげたかったのだろうか、背中から抱きしめていた。
「いい子、いい子…桜ちゃんは頑張ったね」
「ほんとに?」
「あぁ…よく頑張ったな。次は俺たちが桜を守ってやるさ」
「…うん!」
桜は俺の服で顔を拭くと子供らしく元気な笑顔をしていた。服はどうとでもなるからいいだろう。
先程から美海ちゃんは自分の頭を手で撫でており、俺の方を睨みつけていた。撫でろってことか。
俺は美海ちゃんを撫でると気持ちよさそうな表情をしたが、頬を膨らませ、桜を指さしていた。
俺は美海ちゃんの支持に従い、桜の頭を撫でてみる。桜はビクッとしていたが、俺の手に頭を擦りつけてくる。まるで猫みたいだな。
「…お疲れさん」
「んん〜♪」
「むー…」
「美海ちゃんもありがとな」
「んん〜♪」
俺は2人を撫でていると忍者たちとお母さんたちは一緒になって話している。話の内容は聞こえてこないが、まぁいいだろう。今は2人のご機嫌を取らないとな。
「あれ、やばくないっすか?」
「ええ、写真撮りましょ」
「照史くんのお母さん、あとでくれませんか?」
「いいわよ。なんなら、全員分用意するわ」
「まじっすか?連絡先交換しません?」
「ええ、構わないわ。あと貴方達、約束は?」
「任せてください。徹底的にさせてもらいます」
「ならいいわ。はい、これ連絡先ね」
「あ…あのお母様…お母様の味って…」
「アキちゃんのためなら、教えるわよ。それと…今後のことについて話し合いをしましょうか?」
俺はお母さんたちを見て、コミュニケーション能力高ぇな…と思った。あれがママというやつか。
俺は2人のご機嫌が良さそうだなと思い、手を離したその時だった。
「桜っ!桜はおりませんこと!?桜は大丈夫ですの!?」
桜のお母さんらしき声が俺たちのいる方へと近づいてきた。桜が俺の服の中へと急いで隠れる。
くすぐったいからやめて欲しいんだが…。
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