ご対面
「アキちゃーん!おいで〜!ほらっ!ママだよぉ〜!…あれ?お腹すいたの?粉ミルクあるけど飲む?」
お母さんは過去を思い出したのか俺を赤ちゃんのように扱い始めた。俺がまだ幼い頃、こういう部屋で遊ばせてたんだろうな。
「もう赤ちゃんじゃないよ…」
「…?昨日の朝、飲んでたじゃない?美味しいって」
衝撃の事実をみんながいるところでぶちまけられた。その話を聞いた春先生とカナ姉は少し驚き、自分の胸を見ていた。
俺が粉ミルクを飲んでいただと?そんな馬鹿な。
「…パパ、飲みたいの?」
「…美海ちゃん、なんで持ってるの?」
「なら、私の飲まれますこと?最高級ですわよ」
「飲まないよ?」
桜と美海ちゃんはどこからか水筒を取り出すと俺に差し出してきた。その水筒の中身はミルクなのだろう。だが、大人として飲むわけにはいかない。
「残念ですわね。とても美味しいのに」
「なんで持ってるの?」
「子供にとって粉ミルクは栄養素が高いってメールで言われましたの。多分、子供を産んでない人には連絡されてなかったはずですわね。でも、先生は知ってるはずですわ…おかしいですわね」
「そ、そうなんだ…(メールなんて見てるわけないじゃない。そんなこと見てる暇があったら子供を見てる方が好きよ)」
「先生のことですから、子供でも見てたんでしょう。次からはちゃんと見ておいてくださいまし」
「ば、バレてるのね。桜さんはすごいわね」
桜は先生に褒められたからか顔が赤くなっていた。
「んん!それで桜さんや。ここで俺たちはどうしたらいいの?」
「そのままゆっくりしていればいいですわ。だって…もうそろそろ来ますもの…」
その言葉に呼応されたのかコツコツコツとこちらの方へと歩いてくる音が複数あった。
桜は俺に背中に隠れ、ママたちは俺たちを守るように前に立つ。美海ちゃんはどうでもいいのか大きなクマのぬいぐるみで遊んでいた。
その人たちは近づくにつれ、声が聞こえてくる。
「こ、こ、ここに、ロ、ロリがいるでござるか?」
「そのはずよ。私の愛しのロリちゃんはどこかな?」
「皆様、イエス!ロリータ!ノータッチ!は忘れておりませんでしょうね?」
「ふん!当たり前だ!ロリっ子大好きクラブの名にかけてな!最初はちゃんと挨拶をするべきだぞ!」
声からして女性が4人だろう。近づくにつれ、桜の震えが俺に伝わってきた。かなり怖いのだろう。
子供は俺が守る!
「「「「皆様!こんにちは!ロリっ子大好きクラブです!」」」」
左からメガネをつけた小さい少女、汚い太ったババア、執事みたいな格好をした年寄り、片目に眼帯をしている謎の美女が留置所の前に立った。
ババアと年寄りはもうアウトじゃねぇか。
「あなた達がロリっ子大好きクラブの人たちですね?」
「「「「えぇ!」」」」
「分かりました…」
お母さんは合図をすると美海ちゃんのママは携帯を取りだし、ある番号に電話する。
「…目の前にいます。では」
ロリっ子大好きクラブの人たちは電話されていることが目に映っていないのか留置所内をぐるりと見渡す。
「まずロリっ子を拝見しなくては」
「そ、そ、そうでござるよ。拙者、み、見たいでござる」
「あらぁ〜あそこにいるわね!あの子!可愛いわ!私、欲しい!」
「ダメですよ。それではロリっ子に怖がられてしまうではありませんか」
「「「「はい、そこまででーす」」」」
いつからそこにいたのか気づかなかったが、忍者の格好をした人がロリっ子大好きクラブの人の首に銃のようなものを当てていた。
なぜ忍者?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます