最強の園児、現る

みんなの自己紹介を聞いた俺だが、全然覚えれなかった為、みんなの名札を見て覚えることにした。

そして、俺は園児たちにこう呼ばれるようになった。


「パパ、おいで」

「パパ、こっちに来て遊ぼ」

「パパ、お腹空いた」


「ああ、ちょっと待ってな。あとお腹すいたのは先生に言ってくれた方がいいと思うぞ?」


1人目の女の子が俺をパパと呼んだせいか、通称パパになってしまった俺は園児たちから優しい歓迎をされることとなった。俺はパパじゃないと言ってるんだがな…。


「ねぇパパ、園児たちもこういってますから遊びましょう!」


「春先生がパパっていうのはダメじゃない?」


「そんな!私も呼びたい!」


「…ならここだけにしてくださいね」


「パパ…」


春先生?ラブロンマンスの始まりみたいな風にしないでください。俺の手に手を添えるのもやめてください。


俺は呆れてため息をつくと誰かが俺の袖を引っ張っていたことに気づく。誰だろうと思い、振り向くと同い年とは思えないほど小さな女の子がいた。

迷い込んだのかな?


「…どうしたの?」


「…みみも遊びたい」


俺はこの時、気づいた。これが天使ということに。

じっくり見ると潤んだ瞳、つやつやな髪、唇を尖らしているが、そのもちもちから可愛さがより際立つ。その上、この身長。100cmも満たなさそうだ。

本当に天使が舞い降りたのではないかと錯覚してしまった。


「みみちゃんっていうんだね。いいよ、お兄さんたちと一緒に遊ぼっか」


「…うん!みみ、おままごとがちたいの!」


「「ぐふっ…」」


し、しまった!スマイルに対して身構えてなかった!春先生と俺はそれを直に食らってしまい、庇護欲ひごよくが溢れてしまった。


「さぁこの胸に飛び込んでおいで。みみちゃん」


「いいえ、みみちゃん。先生の胸に飛び込んで来て!」


「…どっちか選べない…」


「「神よ…天使に出逢えたことに感謝致します」」


ダメだダメだ!みみちゃんを困らせてダメだ!なんて破壊力!これが子供だというのか!?


「はっ!ごめんね。みみちゃん、おままごとなんだけど何役がいい?」


「ママがいい…パパはパパの役をやって欲しいの」


「先生は何をすればいいかな?」


「…あっちの端で犬役」


「………」


春先生、固まっちまったな。声かけようにかけることが見つからない。次があるでしょう。春先生、ドンマイ!


「他の人たちも参加していいかな?」


「うん!みんなは娘役でお願いしたかったの!」


あっ他の人達にその笑顔は…あちゃ〜全員倒れちゃった。この子、最強だ!

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