第3話

とりあえず、状況を整理しながら街を探索することにした。

「えっと、私達は240年後のどっかに来た…のよね?」

「そう言う事になりますね」

「でも、そんなに長く徳川の世が続いたんですね」

江がそう言うと、

「…そうね」

淀の機嫌を損ねてしまった。

「でも。それなら豊臣家は…?どこへ…」

「「……………」」

「あの子達、何言ってるのかしら?豊臣家なんて、とっくの昔に滅びたでしょう?」

「変な子達ねぇ」

そう陰で言われ、淀は腹が立った。

現代だったら中指でも立てていただろう。

「何だとぉ…」

「ちょっ…姉上…」

「…秀頼…………」

「………………」

その後、しばらく沈黙が続いた。


「…それにしても、今夜はどうします?」

初がそう言うと、淀と江は固まってしまった。

「……………姉上?江?」

「……どうしよう」

「姉上達、お金持ってます?」

「持ってないわよ。姉上は?」

「ちょっとならあるけど…これって今でも使えるの?新しい貨幣にしたりとか、してるかもしれないじゃない」

「あ……」

「そうですね…」

途方に暮れていると、そこら辺の家から出てきた男性が三姉妹に声をかけた。

「大丈夫かい?」

「いえ……」

「話は聞いた。金がないんだろ?うちの宿に一泊くらいなら泊めてやるけど?」

「……よろしいのですか?」

「ああ、どうせうちはそろそろ潰れる。もうヤケクソで運営してるからな」

「……今の時代でお金になるのかは分かりませんが、この貨幣はどうでしょうか」

淀が貨幣を取り出したが、男性はそれを受け取らなかった。

「いや、いいよ。貰ってもどうせ無駄なんだ…きっと」

男性はどこか遠くを見つめていた。

「…では、お言葉に甘えて、泊まらせてもらいます」

「ああ。むしろ、泊まってもらった方が俺も、妻も嬉しいよ」

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幕末の浅井三姉妹 額田兼続@みんなでカクコン頑張ろう @Nekofuwa-jarashi

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