第2話

「…貴方の名前は…?」

「私は浅井江と申します」

「私は常高…浅井初です」

「私は淀です」

「あなた達が居た(?)のは何年ですか?」

「「「慶長16年です」」」

(やっぱり…)

「ところで、あなた(の名)は?」

淀が聞くと、

「吉田松陰といいます」

「松陰殿は、ここの出身なのですか?」

「いいえ、私は長州藩からきました」

「長州…長門国や周防国山口県の辺り…ですか?」

「そうです」

「何のためにここへ来たのですか?」

「黒船を見に来る為です」

「黒船…あまり来ないのですか?」

「日本は『鎖国』をしていて、特定の国としか貿易をしなかったのです。なので、あまり来ないどころか、アメリカが出来てから初めてですよ」

「その鎖国は、誰がしたのですか?」

「3代将軍、家光様です」

「その『家光様』という方の幼名はなんですか?」

江が目つきを鋭くさせ、言う。

「確か…竹千代でした」

「弟はいますか?」

「はい、忠長様…などがいました。忠長様は、家光様に自害へ追い込まれてしまいましたけど」

「忠長様、の幼名は?」

「えっと…国松(諸説あり)でした」

「…姉上(常高院)、戻ったら竹千代を注意してくれない?」

「でも、春日局に行った方が」

「今の状態だと姉上の方が説得力あるんです」

「…そうなんだ」

「……では、私はここで」

「いろいろ教えてくれてありがとう」

「いえいえ」


数時間後。辺りはすっかり暗く。

「就寝はどうしましょうかね…」

「今が何月なのかは知りませんが、少し肌寒いですし…」

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