第一章

第1話

「姉上!」

浅井江は、倒れてから知らないどこかの町に居た。そこで、姉である浅井初を見つけた。彼女も倒れていた。

「…江?なぜ、ここに…」

起き上がった初は、江がいる事に困惑していた様だが、すぐに気がついた。

「…!?ここは…?」

「…分かりませぬ」

海の方に、人集りがあったので、行ってみた。すると、巨大な船が。

「…」

しばらく唖然としていたが、近くで茶々が倒れている所を初が発見した。

「「姉上ー!」」

「…初、江…?なぜここに…」

困惑したのも束の間。

「…秀頼は…?」

「「さぁ…?」」

「…っていうか、あなた達、少し…若返ってない?」

「「姉上こそ」」

「え…?あ、本当だ」

「あの黒い船は、なんなんでしょうか…?」

江が言うと、とある青年が答えてくれた。

「あれは、分かりませんが、異国アメリカの船だと思います」

「「「アメリカ…?」」」

三姉妹が知らないのも当然だ。なぜかと言うと、三姉妹が来たのは1611年。アメリカ合衆国ができたのは1776年だからだ。

「アメリカは、およそ…80年程前に英国イギリスから独立したそうです」

「80年前…享禄2年…?」

つぶやいた茶々。しかし、

「…?80年前は、安永4年のはず…」

全く知らない元号が出てきた。

「「「…安永…?」」」

全く会話が噛み合わない。そこで、何かに気づいた初は、

「…慶長16年って、何年前ですか…?」

と聞くと、

「およそ…240年前です」

「「え…?」」

「…よく見たら、江戸城も見える…けど、江戸は私の知ってる街ではない…」

江が呟くと、

「確かに。秀忠殿の御台所の江が言うなら」

「御台所…?秀忠殿の…?」

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