プロローグ(江)

また、同じ頃。

「江」

徳川秀忠は、正室である江を起こした。

「おはようございます、秀忠様…」

「おはよう」

「ところで、なぜ豊臣家を攻めなければいけないのでしょうか…」

姉のことが心配で、急に聞く江。

「そなたの姉上と千のことか。秀頼殿が大阪城を素直に明け渡せば父上は攻撃しない…はずだ」

心配そうに秀忠が言う。

「千…姉上…」

そう江が呟くと、暗い顔になってしまった。

「江、囲碁でもやらぬか」

秀忠がそう提案すると、

「そうね」

と答えた後。

江はふらっとして、たおれてしまった。

「江、大丈夫か…!?」

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