第4話 水木しげるさんの漫画「諷刺の愉しみ」

  水木しげるさんの「諷刺の愉しみ」水木しげる作品集 Ⅱという漫画本に、こんな話「ヘンラヘラヘラ」が載っています。


製薬会社と医者が結託して、効きもしない(むしろ害がある)偽薬を売って(欺して善良な患者に注射して)ボロもうけをする、という話。


  金満病院の金満院長と医者の会話。

医者「院長、公害病で入院中のキンタ○君が死にました。」

金満院長「ばかな人が一人や二人死んだからって、さわぐひとがありますか。」

医者「でも、薬をあびせるほど飲ませたもんですから。」

金満院長「病気が治ろうと治るまいと、薬をたくさん与えれば与えるほど儲かるというのが今の制度だからしかたがないよ。わしの病院だけ儲けないなんてことできますか。」


・・・


金満病院の金満院長と製薬会社社長の会話。

製薬会社社長「今度のこの新薬を1万錠買ってくだされば、1万錠おまけがつくのです。」

医者「なるほど」

製薬会社社長「人間のからだがどうなっても、我々さえ金を儲ければそれでいいのです。」

医者「製薬会社さん、まったく同感です。」


・・・


医者「公害病患者に薬を浴びせるほど飲まして殺し、それに衝撃を与えると新生命が誕生するのです。」

製薬会社社長「さまざまな公害でクタクタになった患者に、今度は薬公害をあびせて殺す。すると、新生命が誕生する、それこそわれわれの夢です。」

「公害会社もよろこびますし、薬をもてあましている製薬会社も大もうけが出来ます。」


・・・


続く


2024年2月8日

V.1.1

2024年2月9日

V.2.1

平栗雅人

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