内政廚のチート要塞は人類を守っていました

@7576

転生してからというもの

人類の生存圏は日本によく似た日本半島(私が勝手に名付けた)だけだった。

日本半島と大陸をつなぐ唯一の陸地は異世界から転生したこの私がずっと守っていた。


人里離れ、魔法を極めたこれまでの人生はとても楽しかった。

転生したばかりの頃はやばかったけどね。

なんかの諜報組織みたいなところに生まれて王国統一がどうのでエリートな子供の兵士が欲しかったらしい。

人体実験とか怪しい薬物とかそういう訓練ばかりさせられた。

女の技術を使って男をたらし込む方法とかいわゆるハニートラップとかも覚えさせられたっけ、当時6歳ぐらいの幼女がである。

2度目の人生だから耐えられたけど、やばいわ〜と思ってこんなところに入られるかと脱走して辺境の地に砦を作ったわけ。


そしたら魔物、魔獣がたくさんやってきたので薙ぎ払う毎日に。

毎日飽きなくて楽しかったわ。


タワーディフェンスゲームを思い出したものよ。

砦を強化したり魔物の素材を使って生活向上したり。

毎日にメリハリってものがついたわね。

スパルタな訓練を受けていたから魔法の使い方も習っていたのが大きいわね。

薬物やらなんやらで改造された結果魔力量も多かったみたいだし、それで作ったのがペンタゴンみたいな五芒星の要塞。

区画化されていて万が一ミサイルが飛んできても大丈夫。

中心は前世の料理を再現し、いつのまにか居着いた精霊やら召喚魔法で呼び出したもふもふも達も料理を美味しく食べられるような食料品店に。

そこからは私のスローライフが始まった。


砦が作れる魔力があるんだものなんだってできたわ。魔法で寿命も若さも保って好きな事を好きなだけできるのよ。

楽しい時間だったわ。


何より数は万を優に超え、体長は軽く30メートルは超えるであろうものもいる魔物達の軍勢を現代兵器やこの世界の人型ロボットを参考に丹精込めて作った魔法兵器で殲滅するのは達成感や爽快感が半端なかった。

一人でいるのも召喚魔法で呼び出したもふもふなペットやら精霊達がいるおかげで寂しくないのも最高だった。

幼い頃にこの辺境の地に逃げて来て正解だったとすごく思う。

人間がいない場所で一人で好き勝手にできるのは最高よ。

でも魔物達はなぜか陸地にしかいなくて飛行型がいないってのが試しに対空兵器を作ってもあまり意味がなくて残念だった。

まぁそれでも大陸間弾道ミサイル並みに巣を放ってきて奴らの巣や同時に降ってくる自爆する魔物なんかを対空兵器で撃ち落としたりするのは最高だったし逆にこちらから奴らの巣を軌道爆撃したり、魔法を使った宇宙開発、衛星を打ち上げたりするのも楽しかったわ。


ちなみに今は月に行くための宇宙船を考えている。

ファンタジー世界の宇宙には色んなことがありそうだからワクワクする。

でも安全性も考えて仲間を連れてって考えるととても先は長い。

もっと勉強を前世でしておけばよかった。

いや、勉強しても月への行き方は学ばなかったとは思うけれど。


妖精やもふもふの犬たちと頭を捻って考えているところよ。


なんて事を考えていたある時人族の軍隊が私の家(砦)にやってきたんだ。

もう人と話したのなんて何十年も昔よ。


そしたら彼らも人型のロボットや空飛ぶ竜を揃えていて、とてもファンタジーって感じで胸熱だった。


人の軍隊の旗艦は飛行船型の空母かしら。


飛行船型なんて随分とファンタジーだわ。

私の作った飛行空母は創造性のかけらもない前世通りのアングルドデッキのある現代的で無骨な空母が浮かんでるだけなのよね……。


それに竜、いいわねぇ。


これまた私の空母の艦載機は無骨な前世の戦闘機をもしたものなのよねぇ。


と感心するにしろ何しろ私は幼女の頃から彼此、多分20年近く人とは会ってない。

私は久しぶりなガチガチなファンタジーに胸をときめかせていたけれど。


そう、だけれど彼らは私と会うなりこう言ったわ!


「辺境の魔女よ。我々は昨年成立した統一王国から来た新世界調査団である!この砦を通してもらいたい! それに近隣、といっても遥か先ではあるが……そこより騒音の苦情も来ている。おかしな花火を打ち上げたり、はるか遠くまで聞こえる爆音を出すのはもうやめていただきたい! 受け入れられない場合は武力の行使も辞さない」


これから私はのほほんとした異世界生活をやめて人と関わらなければならないらしいわね。

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