第12話 小動物との時間

 林道の退避場

 じっと草むらの斜面を見る

 何か動いている

 十五センチくらいの尻尾が青い

 釣具店のルアーでよく見るテカテカの青

 カナヘビだ

 青いのはメス

 よく見ると一回りちいさな

 こげ茶色のオスも居る

 チョロチョロと動き回り

 かわいい


 林道で、百五十センチ程の蛇が死んでいた

 ここでの天敵は自動車

 林道を横断中に車に轢かれた

 それを見つけたのは

 巣立ったばかりのトンビ

 蛇の脇に降りる

 近づくがなかなか手がでない

 親トンビを鳴いて呼ぶ

 親トンビが現れると

 サッと蛇を握って飛んでいった

 子トンビが追いかける

 死も他の生きるための食物


 林道の大き目の砕石の間に

 毛むくらじゃらの丸いものが転がっていた

 声茶色の毛、モコモコ

 ねずみ?

 尻尾がない

 生きてる?

 動かないので分からない

 枝で突いてみた

 黒い翼を広げバタバタと飛んで行った

 コウモリだった


 何か動くものがいる

 ワダチにネズミのようなものが動いている。

 ゆっくりと近づく

 目がよく見えないようだ

 ワダチの土の壁を超えられない

 短い毛のモコモコとしている

 可愛らしい出で立ち

 結構長い尾

 ちょっと長い鼻をピクピク動かす

 手足が大きい?

 指が長い?

 この足はモグラ?

 ひたすら走って草むらに消えていった

 ネズミにしては遅い

 ”ヒミズ”というモグラの一種

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