第13話 雨が降る時間
季節は、もうすぐ冬に向かおうとしたいた
森の中に一人
ピッピッという小鳥の警戒音が聞こえる
木の葉が擦れ合ったり
風や鳥に枝を折られ
枝のパキパキとなる音
笹や草のカサカサと音をたてる
雨が降る
すぐに小さな水路が出来る
雨は高いところから低いところへと流れる
低いところを教えてくれる
細かいドロが流され
大き目の石が残され
水が流れていく形が現れる
小さで立派な川になる
ただ、下へ下へと流れる
意思もなくただ下へ下へと流れる
水の流れから目が離せない
その日はずーっと雨が降っていた
秋の雨
ずーっと雨が降っていた。
子どもの頃の様に
曇ったガラスに指で落書きして楽しむことが出来ない
雨は車のフロントガラスに当たって
下へと流れて落ちていく
何千メートルの頭上から
ただ、下に向って落ちきた雨
空は暗い灰色のままで
雨音だけが車内に溢れる
外の景色は何も変わらず
ずーっとこのままなのだろうかと思わせる
雨が上がる気配が全くない
ただ時が過ぎていく。
時計の針だけが進んでいくだけでないか
雨音だけの時間
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