不思議遊戯、安倍春樹の千年扉第7試練

第七の試練、、、約700年位前、、、





春樹は、まだ布団の中にいた、、、、


「、、、、う~ん、、今何時だ、、まだ外は暗そうだし、、、、えっ、、もう10時じゃないか、、、」



春樹は布団から出ると、、窓から外を見た


「ああ、、暗いと思ったら、、凄い雨だ」



春樹は、ゆっくりと台所に行くと、、昨日、

買った、牛乳を飲んだ、、、


「まあ、、出かける用事もないし、、雨が降っても関係ないや、、、」



春樹は、畳の上に寝転がって、、しばらく、スマホをいじっていた



すると、、廊下の方から複数の足音が聞こえた、、、、



「あっ、、、焔、幻、、春樹がいたぞ、、」



焔は、、畳の上に寝転がっている、春樹に近かより、、、


「、、、ねえ、、、起きていたなら、どうして来ないの、、早く試練に行かないと、、」



春樹は、、真面目な顔で焔に聞いた、、、


「ねえ、、、焔、、本当に千年前に行って、ご先祖様と一緒に戦わないと、今の世界は無いと言うのは本当なの、、、俺は現実に存在してるよね、、、」



焔も、真剣な顔で、、、


「あなたのご先祖様が負けて、、妖怪の世界になったら、人類なんか誰もいないわよ」


「じゃあ、、何で、俺はいるの、、、」


「あなたが、ご先祖様と一緒戦って、勝ったからよ、、、負けたら、その瞬間にも、歴史は全部変わるはずよ、、、」


「、、、えっ、、、そんなに、重い責任を負わせられたの、、、」



焔は、ニコニコと笑って、、、


「大丈夫よ、、今の春樹と、ご先祖様がいれば、絶対、負けないわ」



春樹は、渋々と起き上がると、、封印の間に向かった、、、、



封印の間、、、



春樹達は、千年扉の屏風の前に立っていた



「さあ、、春樹、、千年扉を開けて、、、」



春樹は、千年扉の屏風の右側の入り口の扉を触った、、、



春樹の体から、柔らかな光りが広がり、次の瞬間、千年扉が開いた、、、



春樹達が中に入り、しばらくすると、千年扉は閉じてしまった、、、





700年前の日本のどこか、、、






鬱蒼と繁った草木、、、、


山間の山道の端に、千年扉の屏風が現れた、、、


千年扉の屏風の左側の出口が開き、、春樹達が出てきた、、、



春樹は、辺りを見回すと、、、


「、、、またか、、、どうしていつも、森の中に現れるんだ、、、この間は町中だったのに、、」


鶴瓶は、ぼそっと、呟いた、、、


「まあ、、こう言う雰囲気の所に妖怪はいるもんさ、、」


「、、、、それでも、、人がいるような場所がいいよ、、、、、また、、こんな森で困っている、人がいるの、、、」



すると、、焔が、、、


「変ね、、、困っている様な人はいないわ、、妖怪の気配も、、、」



春樹も、目を閉じ、、神経を研ぎ清ますと、、、


「、、、、こんな森で、、何をしているんだ、、1人だけの気配を感じる、、、闇雲に動いているな、、、」


焔は、ニコッと笑って、、、


「あら~、凄いわ、、人の小さな気配もわかるようになったのね、、、、周りに妖怪もいないし道にでも迷ったのかしら」



すると、春樹は、疑問に思った、、、


「焔、、道に迷った人を助けてあげたら、、試練をクリアした事になるのか、、、」


「そんな事ないでしょう、、それじゃあ、、何の試練にもならないもの、、、」


「、、、、、どうする、、、ほっとくか、」



「でも、変ね、、千年扉は、必ず、試練が起こる場所に私達を運ぶはずよ、、、、、、、春樹、、何かその人が関わりがあるのよ」


「そうなの、、、」



焔は、大きな声で、、、


「もう、、、早く、、その人の元に行って」


「わかったよ、、、、」



春樹は、もう一度、、神経を研ぎ清ますと、

その男の気配を捕らえた、、、


「ええと、、、ここだな、、、、よし、、、妖術、、空間の狭間、、、」


春樹達の目の前に霊道が開いた、、、


春樹達は霊道に入り、、しばらくすると、、霊道はその場から消えた、、、、






遠く離れた、山道沿い、、、、





1人の男が、何かに逃げるように、走っていた、、、、



その男が走る、、少し前の、木陰に霊道の出口が開き、春樹達は現れた、、、



走って来た男には、、、、春樹しか見えない、、、、



「、、はあ、、、はあ、、、、、、あっ、、、やっと、、人に出会えた、、」



春樹は、走っている、男を止めると、、


「どうかしましたか、、、、」


その男は、春樹の格好を見ると、、、あわてて膝まずいた、、、


「あっ、、、お侍様でしたか、、大変失礼しました、、、」


「ええと、、頭を上げて下さい、、、私は侍じゃありませんよ、、平安から続く、陰陽師の末裔で安倍春樹と言います、、、」


「平安、、陰陽師、、安倍、、、失礼しました、、あの平安の有名な陰陽師様の末裔ですか、、、凄い、、、」



「、、、、またか、、、名字が似てるだけで、、、」



男は深々と頭を下げ、、、


「ええと、、、私は、、一応物書きでして、、歌人、随筆家などをやっています、、ト部、兼好(うらべのけんこう)と申します、、まあ、、片手まで僧侶もやっております」


「色々と凄いですね、、、」


「ええ、、今度も、ここ京の都から全国を放浪します、、」


「京の都、、、ここは京都の山奥なんだ、、どうせなら町に現れて、古都の町を見たかったのに、、、」


すると、焔が怒って、、、


「春樹、、世間話をしている場合じゃないのよ、、、早く、逃げてきた理由を聞いて」


「わかったよ、、、」



春樹はト部と名乗る、男に、、、


「ええと、ト部さん、、何かから逃げてきたようですが、、、」


「あっ、、、忘れるところでした、、、、、この、山道沿いで連れと休憩していたら、、何か面白そうな、大きな洞窟が近くにあり、、創作意欲が湧いて、つい、中に入りまして、、」



「洞窟、、ですか、、、、えっ、、連れ、、、御一人じゃないのですね、、、」


「私の弟子でして、、、」


「その、お弟子さんは、、、」


「それが、、その洞窟の奥に、、祠があり、、興味深く見てると、、急に化け物、妖怪が現れ、弟子と私は、あわてて逃げたので、弟子がどの方向に逃げたかわかりません、、、」



鶴瓶はニコッと笑って、、、


「ほら、、やっぱり試練だ、、」


「黙って、、鶴瓶、、、、春樹、もっと詳しく聞いて、、、」





化け物の正体とは、、、、






春樹は、ト部に、、、


「ト部さん、、、、先ほども言いましたが、私は、陰陽師の末裔です、妖怪などでは驚きません、、、、、、詳しくお話し願いますか、、、」



「そうですね、、、陰陽師様なら、信じていただけるでしょう、、、あわてて逃げたのではっきりはしませんが、、大きな蜘蛛の様な化け物に見えました」



「蜘蛛、、大きな蜘蛛の様な化け物ですか」



すると、幻が、、、


「春樹、、そいつはたぶん、妖怪土蜘蛛だぞ、、、人の精気を養分としている化け物だ、、、」


「ええと、ト部さん、、、そいつはたぶん、妖怪の土蜘蛛だと思います」



ト部も、その名前は聞いた事があると、、


「、、、、妖怪、土蜘蛛ですか、、、京の都の山奥に、そんな妖怪が、、平安時代の陰陽師様が退治したと思っていたが、、」



「ところで、お弟子さんは、大丈夫ですか」



ト部は、急に、険しい顔になり、、、


「ああ、、しまった、、、」


「ええと、、どうかしましたか、、、」



「、、、私の荷物、、全部、弟子が持っていました、、今書いている、書物も、、、、、まさか、、あの、土蜘蛛とか、言う妖怪に捕まってはいないのか、、心配だ、、」



すると、焔が、、、


「春樹、、これが試練よ、、そのお弟子さんを探して、、もしかしたら、土蜘蛛に捕らわれているかも知れないわ」


「でも、、土蜘蛛や、そのお弟子さんの気配は感じなかったぞ、、、」


「その、洞穴に磁場の乱れがあるなら、気配を感じずらいわ、、、」


「えっ、、、そんな事あるの、、、」


「妖力を上げて、、もう一回試してみて、」



春樹は、、神経を研ぎ清ますと妖力を上げて、もう一度、辺りの気配を見た、、



「あっ、、、微かに、、人の弱い気配と、違う、嫌な気配が感じる、、、、お弟子さんはたぶん、捕らわれているが、、、、、生きているぞ、、」



すると、、ト部は、、、


「陰陽師様、、書物はどうなってもいい、、私の弟子だけは、助けて欲しい、、、、、、奴は、若い頃から私のお世話をしている、、弟の様な者だ、、お願いいたします、、土蜘蛛に捕らわれたなら、、是非ともお助け下さい、、、」



「ええと、、ト部さん、、わかりました、、お弟子さんは、捕らわれているが、生きています、、、居場所もわかります、、今から、助けにいきましょう」



「そうですか、、、陰陽師様、、よろしくお願いいたします、、、」



春樹は、、空間の狭間の妖術を唱えた、、、



春樹達の目の前の空間に、大きな穴が開き、、、、


「えっ、、、陰陽師様、、これは、、」


「ええと、、、あなたの、お弟子さんの、所に早く行くための、近道です」


「そうなんですか、、、、、ちょっと怖いですな、、、」



春樹が霊道に入ると、ト部も恐る恐る、霊道に入って行った、、、



山道沿いの、草木の側の空間に穴が空き、、春樹達が出てきた、、、


「おお、、これは、先ほどまで、私達がいた場所だ、、、陰陽師様、、あそこに見える洞窟、、、あの中に土蜘蛛がいました、、、」






土蜘蛛、退治、、、






春樹は、凄い磁場の乱れを感じた、、、


「えっ、、この人達、嫌な磁場を感じないのか、、俺だったら絶対、こんな洞窟には、入らないぞ、、、」


「春樹、、、あなたの、妖気が危険を察知してるからよ、、、普通の人間には感じないわよ、、、」



すると、幻が、、、


「春樹、、凄い妖気が感じる、、気をつけろよ、、、」


「ああ、、幻、、わかったよ、、、」



春樹の様子を不思議そうに見ていた、ト部が


「ええと、、陰陽師様、、先ほどから、どなたとお話しをしているのですか」


「、、、、ト部さん、、、私は、陰陽師です、、見えないとは、思いますが、私の側に従えている、式神が3人います、、」



ト部は、驚き、、、


「えっ、、そうなんですね、、、さすが平安の有名な陰陽師様の末裔ですな、、、」


「、、、、、またか、、、」



春樹達は、、洞窟の入り口の前まで歩いた


「春樹、、凄い妖気ね、、磁場が強過ぎてわからなかったけど、、近くにいると感じるわ、、、、その人はどうするの、、」



春樹は、ト部さんに向かって、、、


「ええと、ト部さん、土蜘蛛はかなり強い妖怪です、、ここで待っていて下さい」


「陰陽師様、、、先ほども言いましたが、弟子は弟の様な者だ、、私も連れて行って下さい、、、」



春樹達は戸惑ったが、、、、



焔が、、、


「春樹、、しょうがないわ、、その人も連れて行きましょう、、、」


「なんだ、、お荷物だぞ、、、良いのか、春樹、、、」


「鶴瓶、、、黙って、、春樹、この人が、試練に関わっているなら、連れていかないとダメかもよ、、、その代わり、防御の妖術をかけなさい、、、」


「わかったよ、、、」



春樹は、ト部さんに、、、


「ええと、、ト部さん、連れては行きますが、、、、土蜘蛛はかなり強い妖怪なので、私が、防御の妖術をかけます、、、」


「はい、、よろしくお願いいたします」



春樹は目を閉じると、妖術を唱えた


「陰陽道妖術、、、、天のご加護、、」


柔らかな光が、春樹達を包むと、、体に薄い膜の様な物が、まとわりついた、、、



「おお、、これは凄い、、、何やら神々しい気がしますな、、、」


「これで、、多少の事は大丈夫ですよ、、、じゃあ、ト部さん、行きますよ」



春樹達は洞窟の中に入って行った、、、



「うわ~、、結構、嫌な妖気だぞ、、、」


「春樹が、、妖怪に対して敏感になったからよ、、、ほら、、あの人、全然感じないみたいよ、、、」



ト部は、、普通にしていた、、


「だから、、こんな洞窟に入ったのか」


「ええと、、陰陽師様、、何かありましたか、、、」


「いえ、、、何にも、、、」



春樹達は、洞窟の奥へと進んだ、、、



すると、、春樹達の気配を感じたのか、、、一段と妖気が強くなった、、、



大きな空間に出ると、、祠が祭られていた、、、その後ろの壁に、、蜘蛛の糸の様な物に捕らわれていた、男がいた、、、



「あっ、、、清吉、、やっぱり捕まっていたのか、、、、」


「ト部さん、、、生きていますよ、、少しだけ精気をとられただけみたいですね、、」


「陰陽師様、、、清吉を助けて下さい」


「わかりました、、、あっ、、ト部さん、気をつけて、、、」



祠の後ろから、、大きな蜘蛛の様な化け物が現れた、、、


「シュルルー、、、」


土蜘蛛は不気味な唸り声をあげた、、、



土蜘蛛は春樹達を見ると、いきなり蜘蛛の糸の様な物を放った、、、



春樹がかけた、妖術、天のご加護が発令して、蜘蛛の糸を消した、、、



「おお、、凄い、、陰陽師様の妖術で土蜘蛛の糸が消えたぞ、、、」


「ト部さん、、、安心してはいけない、、少し後ろに下がって下さい」


「はい、、、」


ト部は、あわてて後ろに下がった、、






予想外の春樹のレベル、、、





焔が、、


「春樹、、、妖術、天のご加護があっても、用心するのよ、、、」



幻も、、、


「そうだぞ、、過信は禁物だからな、、」


「春樹、、そんな奴、、早く退治しちゃえ」


「鶴瓶、、、今、、春樹に用心してと言ったのよ、、土蜘蛛は強い妖怪なのよ」



春樹は、少しずつ、妖気を読めるようになったが、、焔が言うほど、土蜘蛛の妖気が大きいとは思わなかった、、、



「試練で経験を積んだから、、レベルアップしたと思う、、俺の思い違いかな、土蜘蛛、強く思えないけど、、、」



「ええと、ト部さんの、後ろにいて下さい」


「はい、、、陰陽師、、、、」


次の瞬間、、、土蜘蛛は、、黒い霧の様な物を吐いた、、、



「春樹、、気をつけて、あれは毒霧よ、、」



黒い霧は、春樹達の周りに、渦巻いた、、、



すると、鶴瓶が、、、


「あっ、、、黒い霧を鼻から吸い込んでしまった、、、うわっ、、、、苦しい、、」



焔は、、呆れた顔で、、、


「、、、、鶴瓶、、あんた、鼻、なんて無いじゃない、、、私達に、毒霧は通用しないでしょう、、、もう、、真面目にやって」


「春樹を、驚かそうとしたんだ、、、、、、あれ、、春樹達も全然、平気そうだな」



すると、幻が、、、


「春樹はかなり、妖力が上がっているぞ、、妖術、天のご加護はその術者のレベルで防御能力がかなり違う、、上級者レベルを越えているかも知れないぞ、、」



「えっ、、春樹のご先祖様と同じようなレベルなのか、、、この短期間で、、、」



焔は、ニッコリと笑って、、、


「本当に、、平安の、妖怪達を、退治してくれるかも知れないわ、、、」


「鬼達の、百鬼夜行を絶滅出来るかもな」



黒い霧が、薄まって、、平気で立っている、

春樹達を見ると、、土蜘蛛は不思議そうにしていた、、、、



すると、焔が、、、


「春樹、、今度はこちらの攻撃よ、、、、、土蜘蛛は火に弱いわ、、、早く退治して、、お弟子さんを解放しないと、、、」



春樹は戸惑った、、、


「火って、、タバコなんか吸わないし、、、ライターは、持っていないぞ、、、」


「もう、、道具を使う訳じゃ無いのよ、、、陰陽道、妖術、、烈火と唱えて、、、五芒星を描いて、、より強力な妖術になるわ」



春樹は目を閉じると、空に五芒星を描いて、妖術を唱えた、、、



「陰陽道、、、妖術、、、烈火、、」



次の瞬間、、、、



春樹の前に、、、火の渦が出来て、、、、


それを、土蜘蛛に向かって放った、、



烈火の炎は、土蜘蛛を取り巻くと、、、

土蜘蛛の

激しい炎は、土蜘蛛を焼いた、、、



しばらくたって、、、そこには土蜘蛛の姿は

なかった、、、



鶴瓶は、驚き、、


「焔、、、烈火の妖術って、、あんなに強力だったか、、、」



「、、、、それだけ、春樹の妖力が高いのよ、、、」






ト部の正体、、、、





土蜘蛛が、退治されたのを見た、、ト部は、あわてて、蜘蛛の糸に捕らわれていた、弟子の元に駆け寄った、、、



「おい、、、清吉、、大丈夫か、、、」


「ト部さん、、、お弟子さんは、気を失っているだけですよ、、、」



春樹は、、蜘蛛の糸の様な物に、手をかざすと、、妖力を注いだ、、、



春樹の体から、淡い光が広がり、、蜘蛛の糸の様な物を、消してしまった



弟子の清吉は崩れる様に、座り込んだ、、


ト部は、清吉に近より、、、


「おい、、、清吉、、大丈夫か、、」


ト部は、清吉の体を揺さぶった、、



すると、、清吉は、ト部の顔を見て、、


「あっ、、、お師匠様、、、大丈夫でしたか、、、」


「私、このとおり、大丈夫だ、、」


「良かった、、、」



清吉は、、ト部の側にいる、春樹に気がついた、、、、


「お師匠様、、そちらのお方は、、、」



「清吉、、、私とお前を、助けてくれた、、陰陽師、、安倍様だ、、、」


清吉は、、驚き、、膝まずいて、、、


「ありがとうございます、、、私だけじゃなく、、お師匠様の、、兼好法師様を助けていただいて、、」



春樹はその名前に驚いた、、、


「えっ、、、兼好法師、、、吉田兼好なのか、、、なぜト部を名乗っているんだ、、、兼好法師と言ったら、、有名な徒然草の作者じゃないか、、、また、、歴史の本で見たやつだ、、、凄いな、、、でも、、あまり詳しくわからない部分多いから、聞かない方がいいな、、、」



ト部は、、戸惑った、、


「ええと、、、陰陽師様、、どうかしましたか、、、」


「いえ、、、、、ト部さん、、、いや、、兼好法師様、、、こんな山の中じゃ危ないので送りますよ、、」



焔も、、、


「そうね、、、春樹、、まだ千年扉の屏風が、現れないから、、試練クリアじゃないのよ、、、送ってあげたら、、、」



「ところで、、兼好法師様はどちらに行く途中ですか、、」


「鎌倉の知り合いの所に行こうかと思いまして京の都を出たところです」


「じゃあ、、私が、、鎌倉の近くまで送りましょう」



「えっ、そんな、、かなりの道のりですよ、、、」


「先ほど使った、、妖術なら直ぐですよ、、鎌倉の知ってる場所を教えて下さい」


「はい、、、すみません、、、何から何まで、、、、」


「ええ、、お気になさらないで下さい」



春樹は、、兼好法師の記憶を読み取り、、、妖術を唱えた、、



「陰陽道、、、妖術、、空間の狭間、、、、鎌倉、、、」



春樹達の目の前の空間に、大きな穴が開き、、春樹は霊道に入った、、、



それを見て、、兼好法師達も恐る恐る、、、

中に入って行った、、、




鎌倉の近くの、街道沿い、、



辺りに、人の気配が無いのを確認するように

霊道の出口が開いた、、、



「兼好法師様、、、この街道を行けば鎌倉に行けるはずです、、、」


「おお、、、知ってるぞ、、この景色

あの、大きな杉の木の先に鎌倉の外れの村があるはずだ、、、」



すると、春樹達の後ろに、千年扉の屏風が、現れた、、、



鶴瓶が、大きな声で、、、


「あっ、千年扉の屏風が、現れたぞ、、、、春樹、、クリアしたぞ、、、」


「鶴瓶、、うるさいぞ、、」


「幻、、、良いじゃないか、、どうせ、、、あいつらには、おいら達の声はきこえないんだから、、、」



すると、兼好法師が、、、、


「陰陽師様、、鎌倉で、是非ともお礼をさせて下さい、、、」



焔が、、、


「春樹、、ダメよ、、もう千年扉の屏風が、現れているんだから、、」


「ええと、、、兼好法師様、、私も用事が、ありますのでこれで失礼します、、」


「えっ、、でも、、」


「春樹、、千年扉の屏風が消えるわよ」



春樹は、あわてて千年扉の屏風の右側の入り口を触った、、、



次の瞬間、、光が広がり、、、


光が収まると、、そこには春樹達の姿はなかった、、、



兼好法師達は、驚き、、


「陰陽師様、、、消えてしまった、、、、、清吉、、私達は、夢を見ていたのか」


「兼好法師様、、、私の手には、蜘蛛の糸で捕らわれていた時の後があります、、夢じゃないですよ、、、」






現代、、、封印の間、、、





封印の間の、千年扉の屏風の左側の出口が、

開き、、春樹達が出てきた、、、



「ああ、、疲れた、、、でも、古都、鎌倉は見たかったな、、いつも山の中じゃ、つまらないよ、、、」


「はいはい、、でも凄いわ、、、もう7回もクリアしたじゃない、、、」


「さてと、、どうする、、春樹、、、」


「あのね、、さっき疲れたと言ったよね、、今日は無理だから、、」


「じゃあ、、また明日だ、、みんな、掛け軸に戻るぞ、、」



焔達は、掛け軸に戻った、、、、


「本当に、凄いな、、ただの絵になった」


春樹は焔の掛け軸の絵を触った、、、


「春樹、、ダメよ、、くすぐったいわ」


「えっ、、感覚はあるんだ、、、」


春樹は2時間ほど、、封印の間でくつろいでいた、、、、



春樹が、大広間に戻ると、、そこには、、、お手伝いさんの、田中さんが、部屋を掃除していた、、、、



「あっ、、、お坊ちゃん、、いましたか、、、離れの掃除は終わって、、もう少しで母屋も終わります、、、後、、夕飯も用意しましたよ、、、」


「田中さん、、、いつもすみません、、ありがとうございます、、」


「いいえ、、安倍様にはお世話になっていますから、、、こんな、年寄りを使ってもらって、、、」


その日は、、田中さんが用意した夕飯をいただいた、、、



食事を終えると、、春樹は寝室の布団の上で

寝転がっていた、、、



「、、、もう、明日から4月だよ、、、、、大学の入学までに終わるのかな、、、」




「あっ、俺とご先祖様が負けたら、、この世界は存在しないと言うことは、、大学どころじゃないぞ、、、信じられないけど、、」



そんな、事を考えている内に、、春樹は

寝てしまった

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