第14話:なに?私とのエッチを我慢してたの?

観音さんは自分の伴侶、つまり自分の奥さんになってくれる女性のことを

考えていた。

そろそろ奥さんをもらってもいい歳だからね。


このまま理髪店を営んでいくなら奥さんになってくれる人も同じ職業の人

が理想的って思っていた・・・だからプティはうってつけの存在。

まあ、それは当然の考えだね。


だから観音さんは迷わずプティが奥さんになってくれたらいいなって思っていた。

プティなら一緒に理髪店を営んでいける。

魔法使いの奥さんなんてレアだし・・・。


問題はノ〜天気なプティがどう思うかってこと。

素直に自分の奥さんに収まってくれるかどうか・・・。

プティは恋人だよって言ってはくれるけど、恋人らしことはハグとチューくらい

しかまだしてもらってない。


あれだけ自己嫌悪に陥りながらプティに性に関して抗議までしたのに・・・。

なにもしてない。

このままボーッと指を咥えて見てたってしょうがない。

それに観音さんはプティとエッチができないことをずっと我慢していた。


(だめだ、このままじゃ、勇気を出して行動にうつさねば・・・)


観音さんは閃いたかのように決心した。


そしてカオスはメイドの魔女プティとコーヒーショップのおかげで繁盛していた。

忙しいけど平和そのもの。

とくに劇的な驚きもドラマもなく・・・可もなく不可もなくな日々・・・。

だからプティは時々、この平凡な暮らしを持て余す時があった。

この暮らしに少々飽きてきてるのかな?


店を閉めたあと、カオスの庭のガーデンテーブルで星を見ながら晩ご飯を食べて

いた、ふたり。

そしたらプティがボソッと言った。


「私、またどこかの国へ旅に出ようかな?」

「あのたくさんの星見てたら、ふとどこかへ行きたくなっちゃった」


「え?旅?」

「なに急に・・・なんで、どうして?、今更?」

「ここが気に入らなくなった?・・・飽きちゃったの?」

「だいいち僕はどうするの?・・・置いていくの?・・・もしかして別れるの?」

「まさか恋人解消じゃないよね」


プティが旅に出ようかなんて言ったもんだから、焦る観音さん。


「そんなに一度にいろいろ言ったら、何言ってんのか分かんない」

「旅に出るって・・・まだ分かんないけど毎日平凡でつまんなくなっ

ちゃったの、私・・・」


「それにカノンちゃんがいつまで経っても私を誘ってくれないし・・・」


「え?・・・あの・・・誘うって?」


「カノンちゃん、私にエッチの仕方教えてくれたでしょ・・・でもなにも

して来ないから・・・」

「あのね、いくら魔法でもカノンちゃんの気持ちまでは動かせないんだよ?」


「それはさ、それはプティにその気がないのに誘っちゃ悪いと思って・・・」


「なにそれ?私に気を使ってたの?」

「私、いつだってカノンちゃんが来てくれるの待ってたんだよ」


「うそ、プティそんなそぶり僕に見せないかったじゃないか・・・」


「それはカノンちゃんが鈍いだけ・・・」

「私、時々ボール投げてたよ」


「そうなんだ・・・ちっとも気づかなかった・・・」

「僕ね・・・本当はずっと我慢してたんだ」


「我慢?・・・我慢って?」


「僕たち恋人同士なのになにも進展ないなって・・・それっておかしいよなって」

「プラトニックな関係もそれはそれでありなのかもしれないけど」

「だけど、恋人としての触れ合いって言うかコミュニケーションって言うか・・・

営みって言うかなんて言うか?」


「回りくどいね、カノンちゃん」

「セックスでしょ?」

「なに?私とのエッチを我慢してたの?」


「まあ、そうだけど・・・」


「あはは・・・カノンちゃんったら・・・か〜わいい」


「え?・・・なにが可愛いの・・・なにが?どこがだよ」


「だって私とエッチしたいのに、ずっと我慢してたんでしょ?」

「可愛い・・・欲しいモノ買ってもらえない子供みたい」


「そんなこと言ったって・・・」


「もっと早く言ってくれてたらカノンちゃん我慢しなくてよかったに」

「おっけ〜してあげてたのに・・・」


「え?〜なんだよ・・・ズレてるじゃん・・・僕ってバカだ」

「じゃ〜言うけど今からでも遅くないかな?」


「どうかな〜・・・タイムオーバーとか?」


「そんな〜・・・」


「あはは・・・カノンちゃん真面目だから、からかうと面白いんだもん」

「いいよ・・・旅に出るのはキャンセル」

「これから退屈じゃなくなりそうだから・・・」


「来て、カノンちゃん・・・恋人同士のコミュしよ」

「私、どこにもいかないからね、カノンちゃんから離れないから・・・」


はてさて、どうなるんでしょう、この二人。

プティは知識は脳にインプットしたみたいだけど、実技はまだペーパードライバー

並みだからね。

うまく合体に成功するんでしょうかね・・・まあ、あたふたしてるシーンが

リアルに思い浮かびますけどね。


まさか魔法使ってエッチはできないだろうからね。


とぅ〜び〜にんて乳。

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