第12話:つまんない人の巻き。

消極的な男のパターンで、漢音さんはエッチい妄想は膨らむくせいに、

したいって相手に言えない・・・タイミングを外すタイプ。

断られたらどうしようって心配するタイプ。

思いとはうらはらに現状に甘んじるタイプ。


かと言って、欲求不満で爆発するほど性欲の塊でもない。

まあ、希望通りの展開にならなくても、なきゃなかったで我慢できる

理性は備えている。

たぶん、一生にないよって言われても、プティとのエッチい行為がない

ままでもなんとか耐えられるかもしれない。


そんな観音さんの思惑とはうらはらに、なにごともないように理髪店

「カオス」の毎日は平和に過ぎていく。


むしろ平和すぎでプティは時々、退屈を持て余す。

客の髪を勝手にモヒカンにして怒られたり、おっさんの髪を三つ編みに

したり、もちろん魔法を使ってね・・・。

いたづらが過ぎて漢音さんからもお目玉をくらう始末。


体は立派な大人でも、内面は子供に等しい。


要は落ち着きがないんだ・・・性格的にね。

おとなしくできない性分・・・なにか目立つことしてたい性分。

誰かにもてはやされたい性分・・・無視されるとイヤな性分。   

で、決して落ち込まない・・・およそウツなんてものになることは100%ない。

そう言う意味じゃいい性格してると思う。


嫁にするにはもってこいかもしれない。                                                      

普通じゃいられないプティは、夜になるとやたらセクシーなランジェリー

なんか着て部屋の中をうろつき回る。


ときには風呂から上がってくるとパンイチだったりする時もある。

わざとらしい豊満なおっぱいが歩くたびにプリンプリン揺れる。


観音さんは目のやり場に困ってプティを注意する。


「あのさ・・・開放的になりたいのは分かるけど上着くらい着てくれないか?」


「カノンちゃんしかいないんだからいいじゃん」


「だから〜そんな裸に近い格好で部屋をうろうろされたら僕にとっちゃ

めちゃ環境よくないんだけど・・・」


「あら、最高の環境でしょ?」

「彼女がエッチい格好してくれるんだから・・・文句言ったら贅沢だよ」


「プティってそんなキャラだったっけ?」


「円熟した女になったら性格も変わるのかもね」


「思えば最初はプティはペットショップにいたんだもんな」


「そうだね、もしカノンちゃんと出会ってなかったら、私どうなってたんだろ?」

「違うお店で看板猫してたのかな?」


「そうだよ・・・最初は看板猫で頑張ってもらおうと思ってたののに当てが

外れたよ」


「当てが外れたってことないでしょ?」

「なに?じゃ〜そのまま、猫ちゃんのままがよかったの?」

「猫ちゃんに戻って欲しい?」

「カノンちゃんが、ご要望なら戻ってあげてもいいけど・・・」


「そんな気さらさらないくせに・・・」


「猫ちゃんとじゃラブラブできないもんね」


「そう言う意味じゃなくて・・・」


(そうだよな・・・たしかに僕ってプティとラブラブしてたいんだ)

(それが今の正直な気持ち・・・今となったらもう人間の女性じゃなく

てもいいんだ)


(まあ、このまま結婚とかしなくてもかまわないんだけど・・・でも

プティがいなくなるのは僕も困る)


「ね?カノンちゃん・・・カノンちゃんって、私を見てもエッチいい

気持ちにならないの?・・・欲求不満とかってならないの?」


「なにいきなり・・・僕はそんな不道徳な男じゃないよ」


うそつけ・・・プティとエッチしたくてたまらないくせに。


「そうなんだ・・・つまんない人」


とぅ〜び〜にんて乳。

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