第11話:飛行機のフライトまで止めてしまう魔女の巻。

ホテルの晩ご飯はバイキング形式だったけど、外でカニ料理でも食べようと

漢音さんはプティを連れて札幌大通公園へ。

ふたりで公園をテクテク歩いて沿道の途中で見つけた海鮮料理の専門店に入って

カニずくし御膳なんてのを食べた。


北海道へ来たらぜひプティにもカニは食べさせてあげたいと漢音さんは思っていた。


公園内では歌を歌ってる人たちや大道芸人らしき人達や一般ギャラリーたちで

賑わっていた。

結局、ふたりはその光景を横目に見ながら大通公園の端っこまで行ってUターン

してホテルに帰ってきた。

で、部屋に帰った漢音さん・・・なぜかドキドキしていた。


そろそろプティとニャンニャンラブラブがしたかったんだ観音さんだったけど

晩ご飯を食べてホテルに帰って来るなりプティは眠いって言い出した。

だからその夜はないもない夜になった。

プティは風呂から出ると観音さんを放ったまま早々に寝てしまったからね。


終わった・・・。


しかたない、無理強いせずここはやらしいことは封印してそっと寝かせてあげよう。

プティがその気にならいと始まらない。

彼女はどっちかって言うと色気より食い気。


このぶんだとプティとラブラブができるのなんていつになるのかなって、ため息

ばかりの漢音さんだった。

先は長そうだね・・・だから飯を食う前に誘えばいいんだよ。


次の日、朝食バイキンを堪能してホテルから小樽へ行ってみることに・・・。

ひとりで車を運転していた漢音さん・・・半ばうんざりしていた。

横で寝てるプティは起きると元気はつらつ。


小樽に着くとふたりで河の流れを見ながら小樽運河を歩いてオルゴール館へ。

オルゴールは国内最大級の約5,000種類・80,000点もあるんだそうで、店内は

オルゴールだらけ。


プティは記念にって、なんか小さいオルゴール買った。

で、小樽運河沿いの古めかしい倉庫食堂で昼食を取った。

さてまたプティが眠くならないいうちにレンタカー返して一気に飛行機に

乗って帰ろうと思って観音さんは飛行機のフライト時刻を確認した。


「あれっ・・・時刻間違ってる・・・」


自分が時刻を間違えてることに気づいて大慌て。


「どうしよう・・・今から急いでもフライト時間までにもう間に合わないよ」

「このぶんだと北海道にもう一泊しなきゃならないな〜」

「予定狂ちゃっうな・・・明日お店営業しようと思ってたのに・・・」


「大丈夫だよ、カノンちゃん・・・今、飛行機止めたから・・・」

「急ごう・・・まだ間に合うよきっと」


「え?止めた?止めたって?・・・どうやって?え?プティ魔法使った?」


「私を誰だと思ってるの・・・任せなさい」


結局プティの魔法のおかげで飛行機に乗り遅れることなく、ふたりは無事地元

に帰って来ることができた。

プティはどうやって飛行機を止めたのか知らないけど観音さんは魔法って

遠隔操作もできるんだって感心した。


だけど飛行機を止めるなんて、そんなことしちゃっていいのか?とも思った。


実は飛行機が飛ぶのが遅れたのはたまたまであってプティの魔法じゃなかったんだ。

いくら魔女でも、遠くにあるものまで自由にできるはずがなかった。

結果的にプティが魔法を使った、ってことになっただけの話なんだな。


とぅ〜び〜にんて乳。

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